





デジタルハリウッド株式会社 管理部
情報システムグループ 主任 牧野 祐市様(左)
マネージャー 青木 文也様(右)
◇業態についてお聞かせ下さい。
デジタルハリウッド株式会社は、デジタルクリエイターの養成スクール「デジタルハリウッド」(通称デジハリ)を運営しています。1994年にお茶の水で開校し、既に40,000人の卒業生を輩出しました。DVDがシリーズトータルで50万枚の大ヒットを記録し、映画化もされた『スキージャンプ・ペア』を製作した真島理一郎氏も当校の卒業生です。全国5箇所でスクールを展開するほかオンラインスクールも運営しています。2004年には専門職大学院「デジタルハリウッド大学院」を、翌2005年には4年制大学「デジタルハリウッド大学」も開学しました。
◇Google Appsをどのように活用していますか。
デジタルハリウッドでは2008年8月、社員向けにGoogle Apps Premier Editionを200ライセンス導入しGmailを中心に活用しています。同時にデジハリの受講生、大学・大学院の学生および教員向けにGoogle Apps Education Editionを1200ライセンス配布しました。
◇Google Appsを導入した経緯を教えてください。
Google Apps導入前はメール、グループウェアや自作のアプリケーションなどを専用のサーバーで運用し、管理は外部委託していました。
導入のきっかけとなったのは2007年、内部統制強化が社会的にクローズアップされ始めたことです。学校を運営する上では学生の個人情報を大量に取り扱うため、上層部から早急にセキュリティ強化の体制を作るようにとの指示を受けました。
その頃、Google社が法人向けソリューションGoogle Apps Premier Editionをリリースしました。非常に興味を持ち調べてみたところ、取引のあった富士ソフトが代理店だということがわかりました。富士ソフトにはさっそくプレゼンテーションを依頼しました。
Google Appsには様々な機能がありましたが、特に注目したのはGmailの機能でした。具体的な採用理由は以下3つです。
1.セキュリティ強化ができること
2.迷惑メール対策ができること
3.年間運用コストが大幅に削減されること
◇では3つの理由についてそれぞれ詳しく伺いたいと思います。まず「セキュリティ強化ができる」とは、具体的には。
デジタルハリウッドではこれまで社員が各自使いやすいメールソフトを使用し、受信したメールや添付ファイル等は各社員のPC上に保存をしていました。社員の中にはノートPCを社外に持ち歩く者も少なくありませんでしたので、情報漏洩の懸念は以前からありました。
しかしGmailを使えば、メール送受信、データ保存をすべてGoogleのサーバー上で行うことができます。クライアントPCにはもはやデータを置く必要がなくなり、セキュリティが確保されます。
◇Gmailは社外からでも携帯からでもメールを見ることが出来ます。逆にセキュリティが甘くなるとは考えませんでしたか。
もちろんそのリスクも考えました。しかし、社内データが社員のPC上に保存され、それを管理できないことのほうがより大きなリスクであると考えました。Gmail導入後は社員のメールソフト使用を禁止し、添付メールもディスクに保存できない仕組みで運用すればセキュリティを十分保てると判断しました。
◇採用理由の2番目、「迷惑メール対策ができること」について具体的にお聞かせください。
学校運営の業務は一般の業務に比べてメールの数はかなり多く、特に学生担当、入学希望者の問い合わせ担当の部署では一日に200〜300通も受信します。その中には相当数の迷惑メールが含まれており、毎朝社員がその都度削除したりブラックリストを作成したりなどの対応を行っていました。
フリー版を使ってみて、Gmailの迷惑メールフィルターが非常に高機能であることを確認し、Gmailを導入すれば迷惑メールはほぼゼロになるという確信を持ちました。
◇採用理由の3番目、「年間運用コストが大幅に削減される」について具体的にお聞かせください。
Google Apps導入前に支払っていたサーバー費用と外部委託の運用コストを合わせた金額と、Google Apps Premier Editionの200ライセンスの年間保守費用を比較すると、約4分の1で済むことがわかりました。
◇導入に際して一番大変だったところはどこでしたか。
Gmailの考え方や使い方をユーザーに慣れてもらうところが一番大変でした。
ユーザーからの質問で最も多かったのは「ラベル」の使い方についてでした。これまで慣れ親しんだ「フォルダ」とは若干考え方が違うため戸惑う方が多いようです。
◇ラベルについてはユーザーにどのように説明をしましたか。
フォルダが「箱」だとしたらラベルは「印(しるし)」です、という言い方をしました。箱であれば一つのメールは一つの箱にしか入りませんが、印はいくつでもつけられて、必要なときに検索で探すというやり方をすれば、これまでより便利になりますと説明しました。また、使い方を説明したPDF文書を作ってユーザーに配布を行いました。
◇導入期間はどれぐらいかかりましたか。
合わせて2ヶ月半です。まずはGmailに慣れてもらうためにメールソフトとの並行利用期間を1ヶ月とり、その後はGmailのみの利用にしつつ、それまでのメールデータを利用できるように約1ヶ月半のデータ移行期間を設けました。
今年に入ってアンケートをとったところ、約70%の社員がGmail導入についてプラスの評価を与えていました。導入から約1年たった今は、みなだいぶ使いこなしているようです。高度な機能の使い方を説明して欲しいと依頼してくる部署もあります。
◇Gmail導入をスムーズに進めるコツがあれば教えてください。
コツと言えるものかどうかはわかりませんが、 ユーザーにはGmailを日々の業務にどのように使っていったらいいか具体的なやり方を伝えていくように心がけました。導入前に各部署に実際に出向いて現場の声を拾い上げてフローを検討したり、ブラウザをGmail用のアドオンが使えるFirefoxに変更したりしました。
Gmailはあくまでメールであって難しいシステムではありません。ただ毎日の業務に密着しているため、ユーザーにストレスを与えることなく使ってもらう工夫をすることがスムーズな導入につながると思います。
◇Google Appsの導入効果をお聞かせください。
導入効果は以下3つです。
1.運用コストの60%削減
サーバーの委託管理からGmailに乗り換えたことで当初の試算通り年間運用コストは75%削減されましたが、これまで外部委託していた業務を私たち情報システム部が引き継いだため人件費はそのぶんかかっています。しかしそれを加味しても約60%はコストカットが実現しています。
2.検索速度アップによる業務効率化
現場からはGmailによって検索速度が相当上がったという声が何度も上がっています。学校の受付応対業務で発生する膨大なメールをデータベースとし、Googleの検索技術を活用することで業務効率化が進んでいます。
3.迷惑メールがなくなったことによる業務効率化
Gmailの導入により、迷惑メールはほぼゼロになりました。ブラックリストやホワイトリスト作成や振り分け、削除などの迷惑メール処理に要する時間がゼロになっただけでなく、朝一番で大量の迷惑メールを処理しなければならないことによる社員のモチベーションロスもなくなりました。
◇富士ソフトへの評価をお聞かせください。
富士ソフトのサポートはレスポンスが常に早いので助かっています。先日、社内の技術的な問題が原因で送受信できない事態が発生しました。そのときは障害の切り分けをし、この場合はこのように対処すればよいというピンポイントの回答をもらえたのですぐに解決できました。
サポートを受ける側にとっては、富士ソフト自体がGoogle Apps Premier Editionの日本最大のユーザー企業であることは大きな安心です。今後は富士ソフトに最大ユーザーとして機能改善のフィードバックをしていただき、Google Apps Premier Editionがさらに機能充実してくれることも期待しています。
◇今後はどのようにGoogle Appsを活用されていきますか。
懸念事項を一つ一つ解決していきながらGmail以外の機能も活用していきたいと思います。まずはGoogleカレンダーをグループウェアとして完全移行すること、そして全社員総会などの動画をGoogleビデオでアップロードし、Googleサイトで全社的に共有するなど、社内コミュニケーションの密度を上げるツールとしてもGoogle Appsを活用していければと思います。
富士ソフトにはこれからも変わらぬ手厚いサポートを期待しています。これからもどうぞよろしくお願いします。