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農業研究見える化システムの更改
およびクラウド移行業務

農業者等が研究成果に直接アクセスできる環境である『農業研究見える化システム「アグリサーチャー」』について、
従来のオンプレミス環境からパブリッククラウドへの移行を実施し、
クラウドの利用メリットを十分に得られる「クラウドスマート」なシステムを実現できる環境を構築しました。

農林水産省

事業概要

農業研究見える化システムの事業概要を教えてください。

強い農林水産業の実現には、現場の課題を科学技術の力で克服していくことが不可欠となっています。 このため、農林水産省では、明確な研究目標の下における現場での実装を視野に入れた技術開発、国が中長期的視点で取り組むべき基礎的・先導的な技術開発を進めています。また、農業者等が研究成果に直接アクセスできる環境の整備として、『農業研究見える化システム(アグリサーチャー)』を構築し運用しています。


アグリサーチャーには約 3 万件の研究成果情報と約 4 千件の研究者情報が収録されています。そのほか、研究課題情報や研究論文情報など参考となる情報も掲載しております。
ホームページのトップ画面の9 つのカテゴリ([作物] [畜産動物][有機農業][生産技術] [病虫害・雑草・生理障害・温暖化] [省力化・効率化・経営] [測定・分析技術] [加工・保存技術] [地域])から知りたい項目などを選択していくことで、簡単に知りたい情報を検索できます。

背景

プロジェクトの概要を教えてください。

アグリサーチャーの充実・強化のため、OSアップデートや最新アプリケーションを導入することによる、情報セキュリティ対策の向上、Public Cloudへの移行による、運用保守管理業務コストの低減、Webコンテンツ類の改善による情報発信力の強化を目的としました。

クラウドサービス導入の背景を教えてください。

平成30年(2018年)6月には、「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利⽤に係る基本⽅針」が決定されました。この中で、「クラウド・バイ・デフォルトの原則」が政府方針として出されています。 これらの状況を踏まえ、本システムはパブリッククラウドを利用することになりました。

導入時の工夫

システムをクラウドに移行するにあたって、不安などはありましたか?

農林水産省ではMAFFクラウドでクラウドを活用した事例が複数あり、クラウド移行に関する不安はそれほどありませんでした。ただし、ガバメントクラウドの利用は初であったため、デジタル庁や富士ソフトとの連携や調整が必要でした。

クラウドの効果を引き出すために工夫された点はありますか?

デジタル庁の「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」では、政府情報システムを単純にクラウドに移行するだけではなく、クラウドの利用を十分に得られるようにするための指針として、マネージドサービスのIaCの活用が示されています。
そのため、アグリサーチャーのクラウドへの移行においても、クラウドの利点を活用するために、マネージドサービスとIaCを活用しました。
具体的には、サーバーレスオプション「AWS Fargate」、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)サービス「Amazon CloudFront」、リレーショナルデータベース(RDBMS)「Amazon RDS」、運用監視サービス「Amazon CloudWatch」など、システムの構築から運用管理を実現する上で、可能な限りAWSのマネージドサービスを活用しました。
また、デジタル庁が用意したIaCテンプレートをインフラ構築に活用し、本番環境や検証環境など複数の環境構築を自動化することで工数削減、品質向上を行いました。

導入効果

クラウド移行後の状況はいかがでしょうか?

クラウド移行におけるセキュリティ強化やコスト削減などについては、今後運用が進む上で効果が表れてくると思っています。さらに、アグリサーチャー利用数が増加していくことを期待しています。

今後の展望

今後の展望をお聞かせください。

アグリサーチャーが利用者にとって更に便利なツールとなるよう、今後もコンテンツ内容を充実させていくとともに、活用が期待できるデジタル技術は積極的に導入を検討していきたいと考えております。