ユーザビリティとは? 定義や「アクセシビリティ」「UI」「UX」との違いなど

ユーザビリティとは、製品やサービスの開発・提供において重要な要素の一つです。ユーザーのニーズを満たすより良い製品やサービスを作るためには、ユーザビリティに関する知識が役立ちます。

この記事では、ユーザビリティの定義や似ている他の用語との違い、ユーザビリティを改善するポイントについて解説します。新商品の開発や、製品・サービスの改良に携わっている方はぜひ参考にしてください。

ユーザビリティとは

ユーザビリティとは、製品やシステムなどの使いやすさや効果性、ユーザーの満足度を表す言葉です。ユーザビリティの定義にはISOやJISなど組織によって多少の違いがあるものの、おおむね次のような要素が含まれています。

  • 目標達成に対する有効性
  • 目標達成における効率の高さ
  • 使用時の満足度

これらの要素を高い度合いで満たす製品やサービスは、ユーザビリティが高いと考えられます。

ユーザビリティと「アクセシビリティ」「UI」「UX」の違い

アクセシビリティやUI、UXなどはユーザビリティと混同されやすい用語です。各用語には次のような違いがあります。

ユーザビリティとアクセシビリティの違い

アクセシビリティとは、幅広いユーザーにとっての利用しやすさを表す言葉です。年齢や性別、健康状態などにかかわらず様々なユーザーが利用できる製品・サービスはアクセシビリティが高いと考えられます。

ユーザビリティとアクセシビリティの違いは、想定されるユーザーの幅です。ユーザビリティの定義には、ユーザーの幅広さに関する要素は含まれていません。特定の対象ユーザーに対して有効性や満足度が高ければ、ユーザビリティが高いといえます。

ユーザビリティとUIの違い

UIとはユーザーインターフェース(User Interface)の略語です。製品やサービスと利用者の接点がUIと呼ばれます。製品を操作するためのボタンや、ソフトウェアの操作画面などがUIの具体例です。

UIは製品やサービスに備わっている機能の一部を表す用語で、ユーザビリティのような使いやすさなどの度合いを表す言葉ではありません。ただし、UIを改善することでユーザビリティが向上するケースがあるため、両者は近い関係性の言葉といえます。

ユーザビリティとUXの違い

UXとはユーザーエクスペリエンス(User Experience)の略語で、ユーザーの体験を表します。「在庫管理システムを導入し業務効率が高まった」、「コンサルティングサービスで業務の課題が解決できた」といった体験がUXの具体例です。

ユーザビリティとUXの違いとして、対象となる範囲が挙げられます。ユーザビリティは、あくまでも製品・サービスの利用目的に対する効率性や効果性などが評価の対象です。一方、UXには製品・サービスの利用を通じてユーザーが得られた全般的な体験が含まれます。

ユーザビリティの重要性

ユーザビリティの高さは、ユーザーの満足度や行動に影響を与えるため重要です。

製品・サービスのユーザビリティが高いと、ユーザーは自身の抱える課題をスムーズに解決できます。その結果、継続的に利用してもらうことが可能です。

また、ユーザビリティの高さは、よい口コミや評価にもつながります。製品・サービスに対する高い評価は、新たなユーザーの獲得に効果的です。

これらの理由から、製品・サービスの開発時にはユーザビリティを重視する必要があります。

ユーザビリティを改善するポイント

ユーザビリティは、次のようなポイントに気を付けることで改善が可能です。

ユーザビリティテストを実施する

製品やサービスをリリースする前にユーザーに利用してもらい、改善のヒントを得る手法はユーザビリティテストと呼ばれます。ユーザビリティテストでは、実際のターゲットユーザーに近い属性の参加者を選定し、フィードバックを得ることが大切です。

使いにくいと感じられた点を改善したり、製品・サービスに対する要望を反映したりすることでユーザビリティを高められます。

配色を見直す

製品やサービスの配色は、ユーザビリティに影響を与える要素の一つです。特に、操作画面やボタンなどは、配色によって使いやすさが変わる場合があります。例えば、特に重要なボタンのみ他と異なる色にすると、対象のボタンのみを目立たせることが可能です。

また、機能面だけでなく、利用者に与える印象も配色によって変化します。例えば、青などの寒色を基調として、使用する色の数を押さえると、理知的で整然とした印象を与えることが可能です。

想定ユーザーや機能に応じて、製品・サービスの配色が最適化されているか見直しましょう。

デザインをシンプルにする

デザインをできる限りシンプルにすると、ユーザビリティを改善できる場合があります。余計な装飾が多かったり、デザインが複雑だったりすると、ユーザーは快適に使用することができません。

製品本体やUIにシンプルなデザインを取り入れ、ユーザビリティを高めましょう。

ユーザビリティとは、製品やサービスの効果性や効率性、満足度などを表す用語です。ユーザビリティの向上は、製品やサービスの継続利用や高評価の獲得につながります。ユーザビリティの重要性を理解した上で、改善に取り組みましょう。

ユーザビリティの改善は、専門知識を持つプロに外注することも可能です。機能やデザインを改善し、ユーザビリティを高めたい方は、ぜひ以下のページでサービスの詳細をご確認ください。

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