UXとCXの違いとは? それぞれの役割などを解説

UXとCXは、いずれもシステムやツール、サービスなどを利用する人の体験を指す用語です。ただし、UXとCXは意味が異なります。自社の商品やサービスを改善するためには、UXとCXの違いを押さえておくことが大切です。

この記事では、UXとCXの違いやそれぞれの役割、UXとCXの関係性について解説します。UXとCXの意味を理解し、商品やサービスの品質向上に役立てたい方はぜひ参考にしてください。

UXとCXの違い

UXとはユーザーエクスペリエンスを表す略語です。一方、CXはカスタマーエクスペリエンスを表します。UXとCXは混同されやすいものの、両者は異なる概念です。

UXとCXの主な違いとして、対象となる体験の範囲や改善に必要な取り組み、携わる部門の種類などが挙げられます。

UXの考え方と役割

UXで対象となる範囲は、商品やサービスそのものに対する利用者の体験です。

例えば、オフィスで複合機を導入する場合「操作画面が分かりやすい」、「印刷スピードが速く短時間で作業を終えられた」といった体験がUXとなります。また、UXに含まれる体験は機能に関するものだけではありません。「商品のデザインがおしゃれで友人に自慢できた」というような感情面における価値もUXの一つです。

ユーザーの体験する価値を設計する行為は、UXデザインと呼ばれます。優れたUXデザインによって、商品やサービスへの満足度を向上させることが可能です。

UXを改善するには、客観的に評価を参考にする必要があります。UXを評価する主な方法は次の通りです。

アンケートによる満足度調査
商品やサービスのユーザーにアンケートをとることで、UXに対する満足度を客観的に把握できます。アンケートの選択肢を何段階かに分け、点数を割り振って集計すると、満足度の定量的な評価が可能です。

ユーザーレビューや口コミの分析
商品やサービスに対するレビューや、SNSなどに投稿されたユーザーからの口コミなども、UXを評価する際に役立ちます。商品やサービスの良かった点や不満に感じた点を分析することで、UXの改善が可能です。

自社の商品やサービスのUXを改善する場合、さまざまなスキルが求められます。プロダクトデザインやシステム設計、人間工学などに関する専門知識と経験が必要です。一般的に、UXの設計や改善にはエンジニアやデザイナー、プログラマーなどが携わります。

CXの考え方と役割

CXで対象となる範囲には、商品やサービスそのものだけでなく、販売や問い合わせ対応なども含まれます。

例えば、企業向けの受発注管理システムを導入する場合「見積対応が迅速でスムーズに導入できた」、「導入後のサポートが充実していた」といった体験がCXです。また、システム自体の使いやすさもCXの一部として考えられます。

CXの適切なデザインによって、商品やサービスに対する満足度だけでなく、企業のブランドイメージも向上させることが可能です。

UXデザインと同様に、CXを改善する場合も客観的な評価が必要です。CXの主な評価方法として次のようなものが挙げられます。

ライフタイムバリューの計測
ライフタイムバリューとは、ユーザー1人が商品・サービスの購入から解約までに支払った金額を意味する指標です。一般的に、優れたCXが提供できているほど、契約期間や顧客単価が伸び、ライフタイムバリューが向上する傾向があります。

継続率の計測
リピート性の高い商品や、一定期間ごとに更新が発生するサービスを販売している場合、継続率によってCXの評価が可能です。継続率とは、特定の期間内に商品・サービスを購入したユーザーに対して、継続的に購入を続けているユーザーの割合を表します。継続率が下がってしまった場合、CXに何らかの課題が生じていると判断できます。

CXの改善には、UXよりもさらに幅広いスキルが必要です。UXの改善に必要な知識に加えて、マーケティングや経営戦略など総合的なスキルが求められます。そのため、CXの改善にはデザインやエンジニアリングだけでなく、経営やマーケティング、カスタマーサポートなど全社的な部門の協力が必要です。

UXとCXの関係性

UXは、CXに含まれる要素と捉えられます。商品やサービス自体の体験価値を表すUXは、販促や導入後のサポートまでが対象範囲となるCXの一部です。

そのため、UXとCXはどちらも重要で、バランスよく両者の向上を図っていく必要があります。自社の商品やサービスに対する客観的な評価をもとにUXやCXの課題を特定し、改善していくことが大切です。

UXは商品やサービスそのものの利用体験を表します。一方、CXは商品やサービスだけでなく、販売から購入後のサポートまでを含む体験を表す用語です。顧客の満足度や企業のブランドイメージを向上させたい場合、UXとCXを大切にしていきましょう。

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