国内にはAmazonだけでなく、楽天やYahoo!などたくさんのショッピングサイトがある。
ZOZOTOWNなどのアパレルに特化したものもあれば、オークションサイトやフリマアプリもたくさんあり、さらに、それらサイトに頼らず自前でECサイトを構築しようとする企業も増えている。

ECサイトを使えば、実店舗を持つ必要がなく、全国で販売できるのだそうだ。
24時間いつでも注文を受け付けられるし、接客も必要ない。顧客も店舗まで行かなくてすむなど、便利なことばかり思い浮かぶ。

しかし、ECサイトの構築や運営に取り組む場合、これまでの店舗運営とは全く違った対応が必要になるはずだ。以下のような現実を知っても、あなたはECサイトに取り組むだろうか?

【理由1】ECは費用が高い

まず、ECショッピングモールに出店する場合は、初期費用に加えて、月額の利用料が必要だ。
さらに売上に応じて課金されるため、固定費だけでなく、変動費もかかる。

かといって自前でECサイトを構築すると、売上に応じた課金はなくなるが、信頼性の高い高価なサーバーが必要だ。
なぜなら、運営は24時間止められないし、アクセスが増えただけでECサイトが停止するようでは商売として成り立たない。
加えて、ショッピングカートだけでなく、販売管理などのシステムも一から構築するとよりお金がかかる。

「でも、ECであれば日本中、世界中の人に商品を届けることができるんだ!」
「でも、24時間システムが対応してくれるから、深夜営業もできるようになる!」

…なんだって?実店舗の店舗数を増やしていくことこそ商売の醍醐味だし、深夜の時間帯だって人を雇えばいい。サーバーだか何だかよくわからないものにはお金を使いたくないし、販路を拡大するならとにかく人を雇えば間違いないはずだ!

【理由2】ECの分析は難しい

ECサイトから取得したアクセスログを分析すると、利用者の行動が目に見えてわかるらしい。
どのように画面遷移したのか、購入までにどれくらいの時間がかかったか、などを分析できるので、明らかになった問題点を改善できる。
アクセスが少なければSEO対策を実施するなど、アクセス数を増やす方針を考えることも可能だ。

ECサイトを使えば何万、何百万という顧客の要望を収集できそうだ。
しかし、たいていの人は何から手を付ければいいのかわからないだろう。
数学や統計に精通していないと、データの分析は難しいものである。

また、実店舗だと売上と来店客数を集計する程度の最低限のデータしか取れなかったので、データが出てきて分析できるとなると困ってしまう。
これまでは臭いところにふたをしていたのに、それが全部明らかになってしまうではないか!

【理由3】ECのシェアは低い

経済産業省の調査によると、日本におけるEC市場規模はまだまだ小さく、B to Cの物販系分野において、EC化率は5.79%、前年からの伸びは約7.5%となっている(※1)。
まだまだEC以外の市場規模の方が圧倒的に大きいことが分かる。

また、中国、米国からの日本製品に対する越境ECは、2020年には2013年の6倍に成長すると言われており(※2)、B to CのEC市場規模は2017年度が18兆円で、2023年度まで年率6~7%程度の成長が続くという見通しもあるのだそうだ。

…もしECサイトの構築・運営を勧めたら、各社が取り組みだしてライバルがいっぱいになってしまうじゃないか。そうすると、今まで築き上げてきた商売のやり方が通用しない時代が来てしまう。
今はEC以外のシェアが大きいんだから、ECに取り組むんじゃなくて、現状のままがいいんじゃないか。

以上のようにECはお金もかかるし、分析も難しい上、シェアだって低い…筆者がECを勧めない理由がよくわかったと思う。新しい可能性には目もくれず、失敗を避けるためにもみなさんにはいままで通りの働き方を貫いてもらいたい!

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ECソリューション

※1 経済産業省 平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)より引用
※2 経済産業省による「平成24年度我が国情報経済社会における基盤整備調査(電子商取引に関する市場調査)」

 

柴田 晃宏
柴田 晃宏(Akihiro Shibata)

ソリューション事業本部
インフォメーションビジネス事業部ネットビジネス部
部長 / エグゼクティブフェロー

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