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vFORUM 2019 レポート ~「VMware Cloud on AWS」、次世代運用管理ツール「Runecast」「ControlUp」を解説

2019年11月12日、13日の両日、VMware社主催のイベント「vFORUM 2019」が東京で開催されました。このイベントでは、セッションや展示コーナーのミニステージにおいて「VMware Cloud on AWS」と次世代運用管理ツール「Runecast」、「ControlUp」について解説しました。

【VMware Cloud on AWS活用:虎の巻】AWSネイティブサービスとの連携をユースケースでご紹介

ソリューション事業本部 インフラ事業部 VMソリューション部 第1技術グループ 課長 畑山祐司

VMware Cloud on AWSとは何か、採用のメリット、ユースケースをご紹介します。 VMware Cloud on AWSは、AWSのインフラでVMwareのソフトウェアを動作させるホスト専有型サービスです。シンプルで高品質なマネージドサービスであり、プライベートクラウドと一貫性のある運用が可能です。また、クラウド移行をシンプルに実施でき、AWSネイティブサービスへ直接アクセスできることも特徴です。

VMware Cloud on AWSの概要

富士ソフトでは、VMware vExpert(※)を中心としたVMwareに特化した技術者集団としてお客様の課題解決を支援してきました。AWSについても、東京リージョン開設前から長期的に取り組んできたノウハウがあり、AWSサービスデリバリープログラム「Amazon EC2 for Windows Server」の第1期パートナーとして認定を受けています。

VMware Cloud on AWSでは現在、i3.metalとr5.metal(現在は海外のみでのサポート)というベアメタルサーバをサポートしていて、本番環境においては1クラスタあたり最低3ノードから最大16ノードを利用できます。i3.metalで、ホスト1台当たり、一般的なVDI(2CPU4GBメモリ)が、100台程度載ります。Horizon7にも対応しており、VDIに関してもオンプレと同様の運用が可能です。

VMware Cloud on AWS を採用するメリットは大きく3つあります。

1. Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)、Amazon EBS (Amazon Elastic Block Store)、Amazon S3(Amazon Simple Storage Service)などAWSネイティブサービスと連携できること
2. AWS Marketplaceから要件に応じたサードパーティ製品を手軽に利用できること
3. 複数の物理ロケーションにまたがる高可用性な環境を簡単に実現できること

ユースケースとしては、VMware Horizonで仮想デスクトップを構築し、AWSネイティブサービスのAmazon EC2インスタンスで作成した仮想サーバと連携させたり、Elastic Load Balancing(ELB)やAmazon Route53、セキュリティ製品と連携させる使い方があります。また、ネイティブAWSのロギングサービスであるAmazon CloudWatch Logsを活用してログを一元的に集約することも可能です。

このほか、Cloud Volumes ONTAPでデータをオンプレミスとクラウドをまたがって保護したり、マルチアベイラビリティゾーン(AZ)を利用してシステムの可用性を高めたりといったことが可能です。

富士ソフトでは、VMware Cloud on AWS環境の検証パックも提供しています。この機会にぜひ、vSphereとAWSの連携をお試しください。

※VMware vExpert:VMwareソリューションの普及に著しく貢献した個人に対し、VMware社から与えられる称号。

【VMware Cloud on AWS活用:虎の巻】徹底解説!導入から運用管理まで

ソリューション事業本部 インフラ事業部 VMソリューション部 部長 清水歩 (VMware vExpert))

VMware Cloud on AWSの導入から、移行、運用検討までの基本的な流れを紹介します。また、運用負荷を劇的に低減する次世代ツールとしてRunecast Analyzer(以下:Runecast)とControlUpの特徴を紹介します。

VMware Cloud on AWSは4ステップで導入できます。

1. AWSのアカウントを作る
2. リージョンを決める
3. ネットワークを作る
4. SDDCを作る

クラウドへの移行方式は大きく4つあります。

1. 「コールドマイグレーション」仮想マシンを停止して一括移行する
2. 「ウォームマイグレーション」仮想マシンを稼働させたまま一括移行する
3. 「ダウンタイムマイグレーション」完全無停止で1台ずつ移行する
4. 「ライブマイグレーション」複数台同時に無停止で移行する

VMware Cloud on AWSへの4つの移行方法

環境を構築し、移行が完了すると運用に入りますが、マルチクラウド環境の運用管理負荷は高くなりがちです。定常的な運用業務のほか、インシデント対応、維持管理、システム改善業務もあります。こうした環境では、使いやすさ、スマートさ、プロアクティブな管理が必要です。

VMware環境では、このような管理がvRealize OperationsやvRealize Automationなどの管理ツールやAPIで実現できます。さらに高度な管理を実現するツールが「vExpert as a Service」というコンセプトを持つRunecast とControlUpです。

マルチクラウド基盤の運用管理に求められるもの

Runecastは、vSphere環境で起こる不具合の90%は、過去に誰かが引き、既に解決済み(既知)の問題であるという考えのもと、VMwareが公開しているナレッジベースやベストプラクティス、各種セキュリティハードニングガイドの情報を参照して、プロアクティブにトラブルシューティングできる環境を整えます。

特徴は、オフラインでも動作すること、リアルタイムかつ継続的な検知が可能なこと、VMware Cloud on AWS環境での認証を受けていることです。

ControlUpは3秒間隔のスキャンにより、環境全体のパフォーマンスをリアルタイムで監視します。高負荷になっている箇所が一目で分かるコンソールとなっており、当該の箇所をドリルダウンしていくことで、原因となっているプロセスを特定でき、そのままトラブルシューティングを実行することも可能です。トラブルシューティングは、予めトリガーと動作を指定しておく事で、自動化することもできます。リアルタイム監視によって収集されたデータを分析(機械学習を用いた高度な分析)し、仮想化環境全体の状態を俯瞰できるコンソールも提供されています。

Runecastで仮想化基盤の脆弱性を、ControlUpで仮想化基盤および基盤上のコンポーネントのパフォーマンスをチェック・監視することで、仮想化環境全体のプロアクティブな運用管理保守管理が可能となります。あたかも社内にExpertがいるように管理できるので、多様化するシステム基盤の運用管理負担を軽減できます。

【日本上陸!】これからのICTインフラを支える次世代運用管理ツールを徹底解剖

ソリューション事業本部 インフラ事業部 VMソリューション部 第1技術グループ 岩品慶子

ハイブリッドクラウド環境の導入を検討されるお客様がどんどん増えています。クラウド化には多くのメリットがありますが、オンプレとクラウド、ロケーションが異なる環境を運用管理するためにかかる工数の増大も無視できません。そこで、ハイブリッドクラウド環境をプロアクティブに運用管理するための次世代運用管理ツールを2つご紹介します。1つは、基盤に潜む潜在的なリスクを可視化するツールRunecast。もう1つは、リアルタイムパフォーマンス監視ツールControlUpです。どちらも日本国内においては富士ソフトのみが取り扱っている商品です。

Runecastは、仮想化基盤のバージョン情報やリアルタイムで取得したログと各種ナレッジを照合し、仮想化環境がもつ潜在的なリスクを可視化(リスクと解決策を紐付けて表示)します。利用する情報としては、VMware公式のナレッジベース、ベストプラクティス(推奨構成)、セキュリティハードニングガイド(PCI-DSS、HIPPAなど)の公式情報です。VMware vSphere、VMware NSX、VMware vSAN、VMware Horizon(Horizon7 on VMware Cloud on AWS含む)に対応しており、vSphere基盤を包括的に管理できます。

Runecastのシステム構成

Runecastが基盤を監視するツールであるのに対し、ControlUpはVDIなどのパフォーマンスをリアルタイムに監視し、トラブルシューティングと修復を行うツールです。簡単な操作で速やかに原因が特定できるため、障害として顕在化する前にトラブルシューティングを実施することが可能です。また、機械学習を利用した高度な分析機能も持っており、ユーザエクスペリエンスを加味した上で推奨構成を提示したり、アラートを発信したりすることができます。また、VMware環境だけでなく、その他の仮想化基盤(Citrix、Hyper-V等)やパブリッククラウド(Microsoft Azure、AWS、Google Cloud等)にも対応しているため、あらゆる仮想化基盤を1つのコンソールで管理することが可能です。

ControlUpの概要

この2つのツールがコラボレーションした、ControlUp Analyzerという製品の提供が北米で開始されています。ControlUpの画面からRunecastの機能が利用できるようになるこの製品を導入すれば、①パフォーマンス監視 ②基盤のバージョン監視 ③トラブルシューティング ④公式&現場双方のナレッジの参照 の4つの機能が単一のコンソールから利用できるようになります。これにより、死角のない健全性維持、プロアクティブな運用管理を実現します。

富士ソフトのVMware 仮想化ソリューションについて、詳しくはこちら
VMware 仮想化ソリューション