今後のICTを支える「仮想化技術」の現在、過去、未来

仮想化技術の変化

サーバ、アプリケーション、ストレージからネットワークへの広がり

昨今当たり前となったサーバ仮想化とは、CPUやメモリなどのコンピューティングリソースを仮想化する技術です。サーバ仮想化技術によってサーバの構築は数分でできるようになりました。しかし、サーバ構築後にストレージの設定、ネットワークの設定が必要であり、基盤として完成するまでには時間がかかります。
また、従業員が個別にアプリケーションを導入する作業は無駄が多いですし、急増するデータ量への対応やデータの長期保存も求められるようになりました。これに伴い、アプリケーション仮想化やストレージ仮想化などの技術が登場しました。
ネットワーク仮想化はL3スイッチ、ルータ、ファイアウォール、ロードバランサなどのネットワークリソースを仮想化する技術です。サーバ仮想化と同じようにネットワーク仮想化を実現することで、ネットワーク管理のサイロ化による運用コストの増加とネットワーク構築の迅速化という課題を解決できます。

集中と分散、統合と分割の歴史

仮想化技術が使われるようになった歴史を振り返ってみると、データの保持や処理を行う環境として「集中」と「分散」というキーワードが繰り返されてきたように思います。
高価な「メインフレーム」が多く使われた1980年代までは、一台のメインフレームに多くの人が「ダム端末」と呼ばれる端末からアクセスする、「集中」の時代でした。一方、安価なパソコンが登場した1980年代以降は、一人一台の「分散」の時代に変わっていきます。
ところが、1990年代に入るとインターネットが登場し、Webブラウザで操作する環境へと変わってきます。2000年代に入ると、「Web 2.0」という言葉が登場するように、誰もがウェブを通して情報を発信できるようになりました。
さらに2010年頃にはインターネット回線の高速化も伴い、クラウドにデータを預けて処理する時代に。最近ではスマートフォンの普及やIoTの登場もあり、「分散」の時代と言えるかもしれません。

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これらは「統合」と「分割」の歴史と言い換えることもできます。データを一箇所に保持すると管理が楽である一方で、高価なハードウェアが必要になり、災害のリスクも抱えます。これを分割して保存することで、安価なハードウェアでBCPなどを意識した構成が可能になります。

仮想化なしに語れない未来

ビジネス面での仮想化への要求

分散・分割を実現するときに、問題になるのはその管理にかかる“コスト”です。多くの場所にデータが存在すると、その整合性を確保するのは大変なので、ハードウェアやネットワークの代わりに変更が容易なソフトウェアを使った構成が期待されるようになりました。また、柔軟に対応できるようにオープンな仕様が求められます。
このようにコストやスピードを考えたとき、昨今のビジネス環境を取り巻く変化に対応できる仮想化が求められるようになりました。今後、様々な用途に応用できるような基幹的な汎用技術(GPT:General Purpose Technology)としてICTの役割が一層重要になるとされ、仮想化を含めたこのような変化はAIやIoTなどがけん引する「第4次産業革命」と呼ばれています。

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また、第4次産業革命が顕在化するタイミングとして、日本では「2020年頃」と答えている企業が多いとされており、今後2020年までのトレンドを意識したときに仮想化は外せません。

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もしも仮想化が発展していなかったら

仮想化による効果として、サーバやネットワークの管理に必要な人員の削減が挙げられます。物理サーバを購入した場合、構築から設定までに時間がかかるだけでなく、メンテナンスも大変です。資産として保有してしまうため、長期にわたって利用することが前提となってしまうこともあります。
仮想化により、サーバを構築する時間が短縮されるうえ、必要なときだけ構築し、不要になれば削除する、といった作業が可能になります。変化の激しい現代においては、ひとまず試してみて、成功すれば継続し、失敗すればすぐに方向転換が可能な仮想化は必須だと考えられます。

2017年の「Canalys Partner of the Year」にて総合賞を受賞!

Canalys Channels Forumとは

イギリスの市場調査会社であるCanalysは「Canalys Channels Forum」というイベントを実施しています。IT業界における上級役員が集まり、ビジネス環境の変化やビジネスチャンスの開拓などについて、基調講演やセッションが行われるイベントです。さらに、ラウンドテーブルやワークショップ、1対1のQ&Aなどのライブ発表も行われます。
今回は「Canalys Channels Forum Asia Pacific 2017」がオーストラリアのパースで開催されました。その発表内容によって、収益面で成長した企業やクラウド、インフラなどのイノベーションを実現した企業などを表彰しています。
私は「Canalys Partner of the Year」の総合賞を受賞しました。

カナリス公式ページ「Outstanding performance recognized at the Canalys Channels Forum APAC」
https://www.canalys.com/newsroom/outstanding-performance-recognized-canalys-channels-forum-apac

今後も仮想化技術を中心としてICT全般に取り組み、情報を発信していきます。

富士ソフトのVMware 仮想化ソリューションについて、詳しくはこちら
VMware 仮想化ソリューション

 

山本 祥正
山本 祥正(Yoshimasa Yamamoto)

執行役員
ソリューション事業本部 副本部長

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