Twitter
Facebook
Hatena
ERPで進めるDXのコツ:GRANDITやSAP、Oracle ERP Cloudの導入【後編】

富士ソフトでは、DXをキーワードにERP製品の導入をお客様に提案しています。昨今、お客様側からのご要望が時代に合わせて変わってきています。

前編では、なぜERP導入で業務の標準化が進むのか、その背景をご紹介しました。 
後編では、お客様のニーズの変化や、ERP導入する際に必要なベンダーとお客様のコミュニケーションについてご紹介します。 

<対談メンバー>

・システムインテグレーション事業本部インフォメーションビジネス事業部 NTプロジェクトマネージャー
竹林 康司

・イデア・コンサルティング株式会社 SAP推進部 部長
板井 実

・イデア・コンサルティング株式会社 第二営業部 部長
渡邉 卓哉

お客様のトレンドの変化

お客様のニーズやRFPの内容に変化はありますか?

竹林:基幹システムの導入を検討するとき、これまでは会計だけ、販売部分だけの業務効率化を目指す部分最適化のRFPが多かったのですが、昨今は、販売から債権・債務、会計まで含めたオールインワンで経営の基盤整備を目指す全体最適化、つまりDXを目指したRFPが増えています。
お客様から要求事項を提示いただいて、SIerである当社が、様々なERP製品を調査、比較して、要求事項の解決が可能か不可能か比較資料を用意し、お客様にどの製品を選択するかをご検討いただきます。 

渡邉:業種を問わず、会計は必要です。ERP製品の導入で標準化しやすいのも会計です。しかし昨今は、会計だけのRFPは少なくなり、導入案件のうち8、9割は購買や経費精算が付随していたり、在庫管理でSCMがセットになっています。 

竹林お客様は、担当される業務に強みをお持ちですので、それぞれ譲れないポイントがあります。そこで、お客様の業務をどのようにERPの標準仕様に寄せていくかを一緒に検討します。ERPの製品はどれも一般的な業務イメージで作られているので、お客様の強みに100%合うことはありません。譲れないポイントを十分に検討して、業務を効率化し改善することでどこまでアドオンを最小限にできるのかがERP導入成功の鍵になります。 

業務の標準化に対する最近の傾向は?

渡邉:世の中は、業務の標準化を重視する傾向にあります。ムリのない標準化を検討していただく必要があると考えています。業種業態によって標準化や専門化、独自化の方針を切り分け、お客様が業務の標準化を検討する際に方向付けのお手伝いをすることが、コンサルティングの役割と考えます。 

板井:従来のSAPは、SAPの標準仕様に合わせるように業務をすり合わせ、お客様に慣れてもらうという考え方でした。業種ごとの商習慣に合わせたテンプレートも提供されていましたが、最近では、お客様ごとに強みのある業務については、ERPの外で個別に開発する方針で対応しています。そのための開発用プラットフォームとしてSAP Business Technology Platform(SAP BTP)を用意しています。 

竹林:最近はECサイトが増えていますが、一般のお客様ユーザーがモノを購入するしくみのバックエンドにもERPが導入されています。データだけをECサイトからERPに外部連携します。ERPは標準仕様で利用し、ユーザーインターフェースのECサイトをカスタマイズする考え方を推奨しています。 

板井:SAP S/4HANAでは疎結合で他システムとつなげるためのAPIが用意されており、連携するアプリケーションを作成する拡張方法として「Side-by-Side」があります。今まではERPの中で開発する考え方でしたが、お客様の業務の中で特殊な強みがあるものは個別にERPの外で開発して、疎結合でERPの機能につなげるという考え方に変わってきています。 

標準仕様以外で個別開発する時の注意点はありますか? 

竹林:ERPと聞くと複雑なイメージがありますが、それは、ERPがデータの中心として、全ての業務のコアなデータを統合型で管理しているからだと思います。ERPは標準仕様で使用できても、データを受け渡す方法は業務の領域に入りますので、個別に開発する必要があります。 

板井:DXについてもAIやフロントエンドのソフトウェアをSaaS型で導入して、バックオフィス中心のERPに疎結合で連携しています。最新のERPは他の様々なシステムと疎結合型でつなげられるように標準化されているため、SAPもベストプラクティスのシナリオの中に、メジャーなSaaS型ソフトウェアとつなげるシナリオが用意されています。 

竹林:ERPは統合型というのが重要で、ERPを導入することで様々なデータが集まってきます。この先に待っていることは、「収集したデータをどう活用するか」です。その先にBI(ビジネスインテリジェンス)や、データをいかに解釈してリアルタイムに状況を見せるかがポイントです。 

板井:お客様が開発したアプリケーションも、AWSやMicrosoft Azureなどのクラウドプラットフォーム上で稼働させることが多くなってきたので、Web APIでERPと連携することが求められています。標準で使うコア機能の部分はERPで用意し、アドオンは独自のアプリケーションをクラウドプラットフォーム上で開発していくことが主流となっています。 

竹林売り上げの状況や、財務会計を見るには、ERP上にデータが蓄積されている必要があり、リアルタイムにチェックできて、経営判断につながる情報になるかがポイントです。複数の製品にまたがってしまうと、集計するのに手間がかかります。 

お客様側とのコミュニケーションがポイント 

システム導入を推進する時のコツはありますか? 

竹林:当社は、お客様の環境をシステム化し業務を効率化する施策を検討、提案、実施します。我々はシステム開発のプロですが、業務のプロではありません。お客様の業務を理解するために我々も最大限の努力をしますが、やはり、毎日業務に取り組んでいるお客様にはかないません。お客様のご要望とERPの標準仕様との差を埋めるには、業務のプロであるお客様の協力が重要です。 

板井:お客様がベンダーを余所者扱いすると、ベンダーとお客様との間に信頼関係を構築できません。また、お客様が会計や購買、販売、生産といった個々のモジュールを別々のベンダーに発注し、どのベンダーも対応範囲外となる作業領域が発生するといったことが、大きなプロジェクトではよく起こります。これを防ぐためにベンダーが当事者として気を付けることは、自社内はもちろん、お客様や他社ベンダーとの間のコミュニケーションのあり方に気を配ることだと感じています。また、ベンダー内のPMとメンバーのコミュニケーションをいかに密かつ柔軟に取っていくかが、1つのキーポイントだと感じています。 

お客様に協力していただくための工夫を教えてください 

竹林:一緒に知恵を出して検討することが一番重要です。
当社だけでは解決できない課題もあり、お客様と一致団結して取り組ませてほしいと提案しています。 

板井:コミュニケーションが不足していると、お客様にご迷惑をかけてしまいます。課題は早めにアラートを出してお客様と調整します。もちろん、ベンダー内で解決できる課題もありますが、お客様とのコミュニケーションの重要性は、ERP導入に限らず、全てのプロジェクトで当てはまると感じています。 

竹林:ERPを導入したもののシステムが上手く動いてないケースは、それがどのERP製品であっても、導入プロジェクトをベンダーに依存してしまい、お客様側に業務を理解している方が専属で入らず、結果としてコミュニケーション不足という状況も多いのではないでしょうか。  

板井:プロジェクトでは十分なコミュニケーションを取れるかどうかが重要です。その点については、最初にお客様の同意を得てプロジェクトを推進しないと、後でお互いに苦労することになります。 

渡邉:お客様企業の中でも業務部門とシステム部門とではプロジェクトが始まると、業務改善のためそれぞれの意見で不一致が起こりがちです。
まずは、会社全体としての考え方や取り組み方を意思統一させ、経営から現場まで浸透させることが重要です。

意思統一していただくためにできることはありますか?

板井:お客様のキーマンとなる方には、プロジェクトの参加をお願いしています。キーマンの参加が、プロジェクトの推進に影響を与えてしまいます。 

渡邉:お客様の業務を製品の標準仕様に合わせて改善するのか、業務を標準仕様に寄せるものの一部はアドオンの対応が必要になるのか、お客様とその意思統一を図ることが大事です。

板井:お客様から追加の要求事項が、要件定義以降にも続々と出てきてしまうことがあり、要求事項のどこまでをシステムで対応するのかを判断できるお客様のキーマンがいないと、プロジェクトは上手くいきません。
追加の要求事項はテストフェーズや稼働直前に出てくることもあることから、導入後、稼働しながら改善していくスタンスも持ち合わせていた方がよいと思います。 

最後に

全員:ERPを導入する場合は、どのERP製品を選択し、どのベンダーとプロジェクトを推進するにしても、まずは、お客様のキーマンを含むプロジェクトの体制を整えることが大切です。 

イデア・コンサルティング株式会社について

ITコンサルティング(イデア・コンサルティング株式会社)
コラム  : https://service.ideacns.co.jp/column/
サービス : https://service.ideacns.co.jp/service/
導入事例 : https://service.ideacns.co.jp/case/

この記事の執筆者

竹林 康司Koji Takebayashi

システムインテグレーション事業本部
インフォメーションビジネス事業部
第1技術部
副部長 / エキスパート

DX SAP

この記事の執筆者

板井 実Minoru Itai

イデア・コンサルティング株式会社
SAP推進部
部長

SAP デジタルトランスフォーメーション

この記事の執筆者

渡邉 卓哉Takuya Watanabe

イデア・コンサルティング株式会社
営業第二部
部長 / エグゼクティブ マネージャー

DX SAP