Microsoftの最新テクノロジーを、日本で活かすには

みなさんはじめまして、増田裕正です。Microsoft関連の事業を担当しています。この技術コラムではMicrosoftに関する分野について、最新情報や取り組みなどを発信していきたいと思います。お気軽にお付き合いください。

今回はまず、私がどのような者で、普段どのようなことをしているのか、自己紹介をさせていただきます。次回からは、さらに技術的なお話を予定していますので、お楽しみに。

Microsoft社のプロダクト、サービスの提供に特化した専門技術部隊

富士ソフトは、独立系のSIerとして、多種多様なお客様の要件に対し、最適なプロダクト、サービスを活用したソリューションを提供しています。私が所属するMS事業部では、Microsoft社が提供しているソフトウェア・サービスの導入支援などを行っています。

中でも私のチームは新しいテクノロジーを先行して収集・調査検証を行い、ナレッジとして現場に伝えていく役割を担っています。新しいテクノロジーを使うことで、今まで解決できなかったお客様の課題を解決できる可能性を持っている反面、技術的な実現性検証、業務面での整合性等の諸条件をクリアしなければなりません。実際にビジネスとして活用できるようになるには、やはり2~3年程度かかってしまうのが現状です。

もちろん、新しい技術が定着した後に、それを習熟してお客様に提供するという選択肢もありますが、習熟するまでに技術が陳腐化してしまうことも十分に考えられます。情報のキャッチアップを続け、加速的に進歩するIT技術をどこよりも早く吸収し、競争力のあるうちにお客様にその最新技術を提供していくこと。私たちはそれがなにより重要だと思っています。

Windows 10への取り組み

Windows クライアントの最新OSとして「Windows 10」がありますが、最初のリリースから約3年が経った現在、徐々に企業での利用も進んできました。

Windows 10の特徴といえば、Windows最後のバージョンと言われるほど、機能更新のモデルが大幅に変更された点です。
今までは約3~5年ごとにメジャーアップデートがあり、Windows 2000、Windows XP、Windows Vista、Windows 7…とバージョンが上げられてきましたが、Windows 10は、Windows 10自体の機能更新として、年2回のサイクルでメジャーアップデートが行われます。

もちろん、クライアントOSを管理する情シス部門の方々による運用の再検討・再構築が必要となるという側面もあります。しかし、昨今の働き方改革によるワークスタイルの多様化、高度化するセキュリティの脅威にタイムリーに対応するには、最新のプラットフォームの利用が必要不可欠です。
こういった機能更新モデルはスマートフォンのOSでも採用されていますよね。新しいOSの更新があると、個人的にもワクワクします。そういったワクワクが、企業のコンピューティングにもやってきたと考えることもできるでしょう。

このように、今までよりも頻繁に追加・更新されるWindows 10の新機能に対し、私たちはリリース前から調査検証を行い、特性を知った上で、お客様の業務に適した機能を選別してお届けしています。

豊富なラインアップを揃えるMicrosoft社のAIを活用

近年、富士ソフトはシステムインテグレーターならぬAIインテグレーターとして、「お客様の多種多様な要件に対して最適なAIを提供する」ことにも注力しています。

そのひとつとして、パブリッククラウドAIプラットフォームの活用があります。パブリッククラウドAIプラットフォームを活用するための調査検証の対象範囲はMicrosoft社製品だけではなく、AWS社、IBM社、Google社、AIベンチャー等が提供するAIについても調査検証を行い、それらの特性を知った上でお客様の要件に最適なものを提供していきます。

中でも私が注力しているのは、Microsoft社のAIプラットフォームを中心とした調査検証です。MicrosoftのAIはラインアップが豊富で、初心者でも使えるものから、データサイエンティストのような専門家が使うものまで揃っています。
例えば、Microsoft Cognitive ServicesのFace APIでは、人物画像をアップロードするだけで、その人物の表情を分析し感情を数値化することができます。Custom Vision Serviceでは、画像をアップロードし、タグ付けを行うだけで、深層学習における画像アノテーションが簡単に実現できます。
さらに、Microsoft Machine Learning Servicesを使うと、データサイエンティストとしての知見やコーディングスキルが必要になるものの、お客様の要件に対して、柔軟できめ細かな対応ができます。

このような各社のAIに対する知見を富士ソフトとして調査検証を行いナレッジ化しています。それでは、実際にお客様に提供したサービスの事例をご紹介しましょう。

「Azure Machine Learning Studio」の活用事例

最近は、AIのビジネス活用が進んできており、AIを活用した業務改善、課題解決に関するご相談をよくいただきます。

このようなご要望に対する事例の一つとして、既存の業務データである商品受注データを活用した商品需要予測があります。この事例で利用したのは、生産性が高く、カスタムの機械学習モデルを開発可能なMicrosoft Azure Machine Learning Studioでした。Azure Machine Learning Studioは、ブラウザベースでフローチャートライクなUIが提供されている、ノンコーディングで機械学習モデルの開発・展開が可能なクラウド型の統合開発プラットフォームです。一部制約があるものの、開発環境の整備、コーディング、リビジョンの管理といった手間を省けるので、エンジニアは本質的な問題解決に集中できるのがメリットです。

この事例の課題は、商品の種類が非常に多岐にわたるため、エンジニアが一つひとつの商品の需要の傾向を解析するのに、非常に時間がかかってしまうということでした。もちろん、Azure Machine Learning Studioの生産性の高さにより、多くの手順は削減できていたかもしれません。しかし、対象商品数は数百にのぼり、それぞれが特有の傾向を持つ場合、どうしても解析に時間がかかってしまいます。

そこで、Azure Machine Learning Studioをベースとして、相関関係の候補となるデータの組み合わせや複数のアルゴリズムをテンプレートとして用意しておき、すべての条件において網羅的に機械学習モデルを自動生成し、最適なモデルを選択可能な独自の仕組みを開発しました。
すべての商品において十分な精度を持つモデルを生成することはできませんが、商品によっては、そのまま利用可能なものもあります。業務上重要な商品で、その重要度に対して生成したモデルの精度が十分でない場合には、従来通り時間をかけて人の手で解析を行い、その他の商品に関しては、この仕組みによって高速に大量の商品を対象としたモデルを生成できます。

今回の事例では、実際に多くの商品に対するモデルを自動生成で対応することができ、当初の課題であった大量の商品に対するモデル開発の時間を大幅に削減できました。

今後も日々更新される最新技術に対して調査検証、ナレッジ化を行い、事例を通してさらに実務レベルで高度化し続けていきます。そして、お客様のビジネスに貢献できるよりよいサービスの提供を進めていきます。

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Microsoft ソリューション

 

増田 裕正
増田 裕正(Hiromasa Masuda)

MS 事業部
フェロー

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