Windows 10 への移行において注意すべき点とは?

Windows 7からWindows 10への移行のピークは2018-2020年

2009年10月にリリースされたWindows 7は、すでに2015年1月でMicrosoft 社のメインストリームサポートが終了し、現在は延長サポート期間に入っています。しかしその延長サポートも2020年1月14日には終了する予定です。

2012-2014年にかけて発生したWindows XPからWindows 7への移行時に新規導入されたPCの耐用年数から、次のリプレイスのピークを2018-2020年と予想しています。この期間に、現在、企業で稼働している約1,600万台とも言われるWindows 7のほとんどがWindows 10へ移行すると見ています。

富士ソフトでは、すでに大規模のお客様からは多くのお問い合わせをいただきましたが、現在では、徐々に減少傾向にあります。逆に2018年の下期からは、中規模のお客様からのお問い合わせが徐々に増加しつつあります。小規模のお客様は、2019年終わり頃から駆け込み需要が出てくると予想しています。

Windows 10への移行は、移行作業よりもWaaSの運用がカギ

これからも多くの企業がWindows 7からWindows 10へのアップグレードを進めていくはずですが、手法としては今までと変わりありません。既存のOSを新規のOSの機能でアップグレードするインプレースアップグレードと、既存のOSを削除し、あらかじめ作成しておいたマスターイメージでOSを新規インストールするワイプ&ロードという2つの選択肢から、自社の環境にあった方式を選ぶことになります。

移行作業自体は従来型の対応方法で進められますが、それよりも重要なのは、Windows 10へ移行した後の運用です。Windows 10 は、「WaaS(Windows as a Service)」といった考えのもと、クラウドから最新の Windows の更新が配信されます。(詳しくは、前回の記事にて説明しています。)
WaaSで提供される機能更新プログラムの配信頻度は、極端に表現すると、Windows XPからWindows Vista、Windows 7 へのメジャーアップグレードと同レベルのアップグレードが半年に一回発生するということになります。あえて極端な表現を続けますが、これまでは数年に一回だった OS アップグレード作業が、Windows 10移行後は半年ごとに発生しますので、単純に、アップグレードのコストを考えただけでも、数倍に膨れてしまうことが想像できます。
これまでの OS 移行と大きく違うのは、移行して終わりではなく、移行後の運用をしっかりと事前に考えておく必要があるということです。

WaaS 運用の例

従来型の移行方法をそのまま WaaS の運用に適用してしまっては、運用コストも時間もかかりすぎてしまいます。WaaS の運用に適したインフラや周辺サービスの構築、運用設計を行う必要があります。
型通りの方法はなく、Windows 10 で新しく追加された機能を含めて、複数の更新方法や配信方法から、自社の環境にあった方式を選択していくのですが、ここではいくつかの典型的と考えられる例をお話したいと思います。

一つ目は、Windows 7 から Windows 10 への移行をワイプ&ロードで行い、以降の WaaS の運用は、インプレースアップグレードで更新を継続的に実施していくパターンです。
マスターイメージを使ったワイプ&ロードは、使い勝手の良さ、分かりやすさから、これまで多く利用されてきた方法です。アップグレード時のみならず、初期化やキッティング時にも利用できます。
しかしながら、マスターイメージの作成には時間を要してしまうことが多いため、半年に一回の作成では運用が難しいといった問題があります。
こういった特性から、比較的時間を使うことができる Windows 7 から Windows 10 への移行には、マスターイメージを使ったワイプ&ロードを選択します。マスターイメージには、WaaS の運用に適した設定を行っておきます。これによって、従来型の考え方にもとづいて設計されていた設定項目をリセットできます。
そして、Windows 10 へ移行後の WaaS の運用では、WSUS (Windows Server Update Services ) から更新プログラムを配信することが選択できます。社内環境に制約せずロケーションにとらわれない更新を実現するためには、Windows Update for Business を利用することが推奨されますが、既存資産の活用、インターネット回線の不足という観点で、WSUS が選択されることが多くあります。

二つ目は、アプリケーションの互換性検証に対応する事例です。
OS の移行時に考慮すべき重要なことは、これまで利用していたアプリケーションが移行後のOSでも正しく動作するかです。パッケージソフトの場合は、移行後の OS 上での動作保証状況を販売元に確認します。通常であれば、修正プログラムや後継製品で対応されるはずです。しかし、自社で開発したアプリケーションの場合は、自社で動作検証する必要があります。動作検証で問題があった場合は、やはり、自社で修正する必要があります。
自社開発のアプリケーションが少ない場合は、半年に1回の頻度でも、動作検証及び修正は可能かもしれません。しかしながら、多くのアプリケーションを開発して利用している場合では、コスト、期間の面で、運用に耐えることが難しくなります。
この場合においては、これまでの動作検証の方法からWaaS の運用に対応できる方法へと変更する必要があります。
これまでは、情シス部門などで動作検証し、動作確認済のアプリケーションを全ユーザへ一括して配布する方法が多く行われてきました。こういった方法から、対象範囲となるユーザを一部に絞ってアプリケーションを配布し、運用の中で動作確認し、問題がなければ対象範囲を広げて動作確認するというように、WaaS の運用に対応するために、徐々に対象範囲を広げて運用の中で影響範囲を最小限にしながら動作検証していく方法も考えられています。

変化に追随した働き方を実現できる基盤と運用の確立にむけて

Windows 10 の移行に伴い必然的に発生する WaaS の運用は、現時点では、従来の考え方、やり方を変える必要があるため、確かに労力がかかるかもしれません。しかしながら、その対応の結果、得られるものは非常に大きいと考えています。
消極的にとらえるのではなく、変化に追随した働き方を実現できる基盤と運用を確立でき得る機会であると。

前回私は、Windows 10への移行を「働き方改革の第一歩」としていただきたいと書きました。Window 10への移行、WaaS の運用実現は、最初の一歩に過ぎません。これを契機として、各種社内システムのクラウド化を進めて、最終的には、時間と場所の制約を廃したクラウドネイティブな環境の実現につながっていけばと考えています。
働く側の視点に立ったクラウドネイティブな環境の実現に向けて、皆様に、より良いご提案ができるように、メニュー化、サービス化を進めてまいります。

富士ソフトのWindows 7 から Windows 10 への移行について、詳しくはこちら
https://www.fsi-ms-solution.jp/products/windows/easyupgrade.html

 

増田 裕正
増田 裕正(Hiromasa Masuda)

MS 事業部
フェロー

この記事を読んだ人はこちらの記事も読んでいます。