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「AWS re:Invent 2019」レポート、機械学習や人工知能(AI)に注力するAWS

2019年12月2日~6日の5日間、米国ラスベガスでAmazon Web Services(AWS)の年次イベント「AWS re:Invent 2019」が開催されました。全世界から6万5,000人以上(主催者発表)の来場者が押し寄せたイベントには、富士ソフトからAWSビジネスに携わる12名が参加。続々と発表された新技術・新サービスの情報を日本に持ち帰りました。今回は、富士ソフトの参加者の中から、 エリア事業本部 インテグレーション&ソリューション部の松田和実 、ソリューション事業本部 インフラ事業部 クラウドソリューション部の田中基敬が、re:Invent 2019の様子をレポートします。

広大なイベント会場に世界中の参加者が集結

―― re:Inventは、AWSが毎年開催する同社最大のカンファレンスイベントであり、今年で8回目を迎えました。今回は、どのような目的でre:Inventに参加しましたか。

松田 私たちの目的は、これまでお客様に提供してきたAWSソリューションがトレンドにマッチしているのか、やり方が間違っていないかといったことを確認することです。re:Invent 2019では「トランスフォーメーション」というキーワードが随所に登場し、AWS自身が最新の技術や状況、機会に合わせた変革に取り組み続けていることが分かりました。

田中  re:Inventは、数多くのセッション、ハンズオンのワークショップなどが開催される、まさに学習を目的とするカンファレンスです。AWSビジネスに携わる者として、AWSの最新トレンド、多種多様な導入事例とユースケース、新技術・新サービスに関して学び取り、知識として身につけるために参加しました。技術的な知識の習得だけでなく、現場の臨場感を若いエンジニアに感じ取ってもらうこともひとつの目的でした。

―― イベントの雰囲気や内容はいかがでしたか。

松田 セミナーは朝から夜まで同時に20トラック以上、合計3,000以上ものセッションが行われていました。日本からの来場者向けのセッションも用意されています。私の部署はAWSを利用したIoTビジネスを担当していますが、EXPOブースやre:Playなどのパーティ会場で、米国AWSのIoT担当者と直接会話する機会も持てました。

田中 イベントに参加してまず圧倒されたのが、会場の規模の大きさです。セミナーやワークショップ、展示会などが複数のホテルに分散して行われているのですが、会場間を移動するのにも一苦労。特にキーノートスピーチが開催されたメイン会場は来場者でごった返し、歩くだけでも大変でした。

―― 展示会場の様子はどうでしたか。

松田 IoT関連の出展企業を中心にブースを回りました。MLとロボットを組み合わせた異常検知システムのような製品の展示もありましたが、日本の展示会でも見たことのあるものが多く、この分野については日本と大きな差がないという印象でした。

田中 大手ベンダーからベンチャー企業まで、多くの企業が出展していました。ただし、日本のベンダーは少数でした。出展されていたのは、まだメジャーではないものの、これから期待できそうな技術が多いと感じました。

新技術・新サービスの発表が目白押し

―― 2日目に行われたAWS CEO アンディ・ジャシー氏のキーノート(基調講演)を聞き、どのような話に興味を持ちましたか。

田中 re:Inventではこれまでコンピューティングリソースの話が多かったのですが、3年くらい前から機械学習(ML)/人工知能(AI)の話題が増えてきました。 その傾向は今年も続いており、 ML/AI関連の話題が多かった印象があります。それらを高速化したり利便性を高めたりする新技術・新サービスが続々と発表され、AWSがML/AIに注力していることを感じさせられました。

またキーノート前に流れている音楽のDJが、実は米国金融大手のゴールドマン・サックス CEO デイビット・ソロモン氏だったという演出には驚かされました。

松田 私もML/AI関連の話には興味を持ちました。キーノートで発表された新技術・新サービスはどれも業務の生産性向上などが期待できるものばかりです。AWSのユーザー企業が登壇して自社の事例紹介がありましたが、基本的に日本での取り組みと共通しており、私たちの方向性が間違っていないという安心、自信につながりました。

―― キーノートやその他のセミナーセッションで発表された新技術・新サービスのうち、どんなものに注目しましたか。

松田 キーノートでもIoT関連の発表を期待したのですが、あまり触れられず残念でした。ただし、個別のセッションではAWSをエッジデバイスに拡張する「AWS IoT Greengrass」に関する詳しい話を聞くことができました。ML/AI関連で注目したのは、ミュージカルキーボードを利用してMLによる曲作りを支援する「AWS DeepComposer」です。イベント参加者向けに先行配布があったので、さっそく使っています。

田中 AWS移行ビジネスに携わることが多いので、昨年発表されたオンプレミス環境に設置するハードウェア「AWS Outposts」がいよいよ公開されたことに注目しました。また、特定リージョンのAWSデータセンターに展開している顧客専有インフラを使用するという「AWS Local Zones」も発表されています。これまでAWSはネイティブクラウドが中心でしたが、AWS OutpostsやAWS Local Zones によって、よりAWS化しやすくなっていると感じます。このほかでは、量子コンピュータのマネージドサービス「Amazon Braket」、AIが会話の内容や感情を理解して顧客を特定する「Contact Lens for Amazon Connect」、AIがコードレビューを自動実行する「Amazon CodeGuru」など、やはりML/AI関連の新サービスですね。

―― ありがとうございました。 このあとは、2回にわたり「IoT」と「移行」に注目したレポートをお届けいたします。

富士ソフトのAWS関連サービスについて、詳しくはこちら
アマゾンウェブサービス(AWS)

   

この記事の執筆者

松田 和実Kazumi Matsuda

エリア事業本部 西日本支社
支社長

AWS クラウド

この記事の執筆者

田中 基敬Motonori Tanaka

ソリューション事業本部
インフラ事業部 クラウドソリューション部
部長

AWS クラウド レポート