AIが日常会話を理解する!日本マイクロソフト主催ウェビナーに登壇(第2回)

2020年11月5日(木)、日本マイクロソフト社主催ウェビナーに、「AIに触れてみる!~Microsoft AIの実践事例と活用方法について~(自然言語処理編)」と題して、MS事業部 フェローの増田 裕正が登壇しました。

AIに触れてみる!~Microsoft AIの実践事例と活用方法について~」

9月23日に第1回「AIに触れてみる!~Microsoft AIの実践事例と活用方法について~(画像認識編)」が開催され、今回は、第2回の自然言語処理編です。本ウェビナーは引き続き数回にわたり開催される予定です。
それでは、今回のウェビナーの内容をご紹介いたします。

自然言語処理とは?

まず、今回のテーマである自然言語処理について説明しました。自然言語(Natural Language)とは、日本語や英語など、人がコミュニケーションのために日常的に使っている言葉のことです。プログラミング言語は、自然言語ではありません。

自然言語をコンピュータで処理することを、自然言語処理(NLP: Natural Language Processing)と言います。近年、さまざまな技術の活用で、メールやSNSの文章など構造化されていないテキストデータから、必要な情報を取り出せるようになりました。さらにAI、特に深層学習(ディープラーニング)の活用で性能が大幅に向上しています。

AI活用で進む業務効率化

自然言語処理で活用されるなど、AIはますます注目されている技術です。既に様々な業種業態で活用が進んでいます。では、製造業や小売業などではどのように活用されているのでしょう。

【製造業】

製品のサポート窓口で自然言語処理AI(チャットボット)が利用されています。24時間365日の対応が可能になるだけでなく、お客様をお待たせせず対応できるため顧客満足度も向上。問い合わせデータを活用することで、修理など、その先の作業への移行においてスムーズな対応が可能になりました。

【観光・⼩売業】

観光案内や電車やバスの運行情報案内、ショッピングモールの施設案内などにも、音声認識AI、自然言語処理AIなど、さまざまなAIが活⽤されています。お客様の声での問い合わせに音声で回答でき、翻訳AIによって多言語対応も実現されています。

【市場調査】

コンシューマー向けの商品やサービスを取り扱う企業などでは、Web上での商品レビューやSNS投稿内容の分析などの市場調査に自然言語処理AI、感情分析AIが活⽤されています。リアルタイムの情報分析が可能なので、効果的なマーケティングにつながります。

また、スーパーやコンビニなどの小売業でも画像認識AIが活用されています。POSから収集する購買データから購買予測や商品の仕入れを判断しますが、性別や年齢などは店員の目視で判断し入力していました。そこにAIが活用され、顔認識によって性別や年齢を判断し顧客情報として自動収集されています。

機械学習によるAIの作成

では、活用が進む自然言語処理AIはどのように作成したのでしょうか、その手順を説明しました。

【データ収集】

AIを作るにはデータが必要です。AIで解決したい問題に基づいたデータを収集します。

【データ前処理】

収集データのバランスを整え、効率よく学習できるように加工します。データへのラベル付与も重要です。

【学習】

学習データのパターンやルールを明らかにします。このパターンやルールを学習モデルと言います。
※教師あり学習では、ラベル付けした入力データで学習し、AIが特長をとらえます。教師なし学習では、ラベル付しないデータで学習し、AIがデータの類似性にもとづいてグループ化などを行います。

【評価】

評価用データを使って学習モデルの正解率などを確認します。性能が不足している場合は、十分な性能が得られるまで、学習を繰り返します。

では、実際のビジネスにAIを適用する場合はどんな方法があるでしょうか。ここでは、以下の2つを紹介しました。

①AIを一から作る
 要件に合わせてきめ細やかに対応できるが、専門知識もプログラミングスキルも必要

②学習済AIを利用する
 メーカーやオープンソース等で提供されているものから選択でき、専門知識もプログラミングスキルも不要

Microsoft AIプラットフォームの紹介

Microsoft社からAIの開発、運用を目的とした総合プラットフォーム「Microsoft AIプラットフォーム」が提供されています。インフラストラクチャ、ツールなど様々なサービスがありますが、代表的な2つを紹介しました。

①Azure Machine Learning
 複数の機械学習フレームワークをサポート。GUIでの開発もサポート

②Azure Cognitive Services
 画像、音声、自然言語など複数のサービスが学習済AIとして公開されている。
 用途に応じて目的に合ったサービスを選択できる。

現在、28のサービスが提供されていて、自然言語処理領域から2つのサービスを紹介しました。

「Text  Analytics」
 文章(テキスト)の感情分析、キーフレーズの抽出

「Language Understanding(LUIS)」
 WebペースのGUIツールで、カスタムの自然言語理解AIを開発できる学習済AI
 文章に、意図/エンティティ(要素)を付与して学習

Custom Visionによる物体検出アプリの開発デモンストレーション

自然言語処理AIソリューションの開発デモンストレーションとして、LUISを使ったWebサーチボットの開発を実際に行うデモを行いました。

①データ収集
 日常使いの言葉で、検索を要求する文章を収集します。今回は、WEB ページ、画像、動画、ニュースなど、コンテンツの検索について学習させたいので、検索に関するデータを収集しました。文章データ収集の例ように、直接検索を表現する文章だけでなく、○○のニュースが見たいなど、間接的な表現の文章も収集すると汎用性が高まります。(今回のプロジェクトは「じゃんけん」、画像は32枚用意)

②データ前処理
 LUISを起動し、「挨拶」、「動画の検索」など(文章の)意図を作成し、各々学習させる文章データを投入します。これにより、収集した文章データに対して、「挨拶」、「動画の検索」などのラベルが付与されたことになります。また、検索に関するキーワードも抽出したいので、検索キーワードとなる部分にエンティティを定義します。こうして、収集したすべての文章データに意図とエンティティを定義します。

③学習
 意図とエンティティを定義した文章データをLUISで学習させます。

④評価
 ダッシュボードというUIから、学習モデルの性能を確認できます。

「ディープラーニングのニュースが見たい」という文章は、「ニュースの検索」という意図に分類したかったのですが、「画像の検索」という意図に分類されてしまいました。そこで、「ニュースの検索」という意図にデータを追加して、再度学習させることで、正しく分類されるようになりました。

⑤公開
 AIの性能を改善できたので公開し、外部から利用できるようになりました。

⑥開発したAIの活用
 Microsoft Teams のボットから、開発したAIを呼び出してみました。チャットから入力されたテキストがAIで意図を分類してエンティティを抽出しています。

文書の内容を読み取り、Web検索を行って結果を返すアプリを作成するデモンストレーションでは、35件と少な目なデータでしたが、正しく予測 できる結果となりました。
このように、ツールを活用することで、カスタムのAIの機能を組み込んだアプリを簡単に開発できました。

今回ご紹介したウェビナーは、以下よりオンデマンドでもご覧いただけます。

「AIにふれてみる!Microsoft AIの実践事例と実践 自然言語識編」
https://info.microsoft.com/JA-AzureAnlyt-WBNR-FY21-11Nov-05-AnalyticsAI-SRDEM45014_LP02OnDemandRegistration-ForminBody.html

MS事業部 フェローの増田 裕正のコメント

「Azure Cognitive Services を使えば、手軽にAIの能力をシステムに組み込むことができます。アイデア次第で、これまで解決できなかった課題に対するソリューションを早期に開発できます。
今回のウェビナーでは、第1回「「AIにふれてみる!Microsoft AIの実践事例と実践 画像認識編」と同様に、参加者に実際に触ってもらって、知ってもらって、より具体的なアイデアを引き出すといったことを目的に実施しました。
Azure Cognitive Services には、まだまだ多くのサービスが含まれています。これらの活用方法をわかりやすくお客様に伝えていきたいと考えています。」

増田 裕正増田 裕正(Hiromasa Masuda)

MS 事業部
フェロー

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