セミナーレポート「自社プロダクトのIoT化における落とし穴と富士ソフトの解決策とは?」

いよいよ日本企業でもIoTが本格的に普及しはじめました。そうした中、当社はアマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社との共催Webセミナー「IoTプラットフォーム on AWSを活用した、自社プロダクトのIoT化における成功事例」を、1月27日(水)に開催しました。本記事では、当社 エリア事業本部 インテグレーション&ソリューション部 第3技術グループ主任 森田和明のセッション「自社プロダクトのIoT化における落とし穴と富士ソフトの解決策とは?」をダイジェストで紹介します。

IoT市場はPoCから製品へ

IoT市場が活気づいています。まず、IoT市場の動向については、多くの企業がPoCを終え、製品化に向けてIoT基盤開発やサービス開発、運用・保守体制の確立に関する取り組みをスタートさせつつあります。

IDC Japanの調査よると、2020年に8兆円だったIoT市場の規模は2024年に12兆円規模へと約1.5倍に拡大する見込みです。なかでも、スマートホームのオートメーション分野や家電分野では、それぞれ20%を超える成長が見込まれています。今後は、インターネットにつながっていない製品がどんどんIoT化され市場に投入されていきます。

製品のIoT化では、一般的なシステム開発やサービス開発とは異なる課題に直面するケースが多くあります。代表的な課題が、非機能要求レベルが変わることです。

例えば、社内システム開発とIoT開発を比較すると、可用性、性能、拡張性、運用保守性、セキュリティなどの項目で、大きな違いがあります。社内システム開発は社内向けなので、運用保守体制やサポート体制も限定的です。一方、IoT開発では、基本的に無停止でサービスを提供できる可用性と、利用者の増加を考慮した性能や拡張性が求められます。サポートも24時間365日体制で、システムだけでなくIoT機器の運用保守や継続したセキュリティ対応も重要になってきます。

IoTビジネスが進展すると、トラブルが波及しやすくなる

IoTビジネスでは、サービス開始当初は問題にならなくても、利用者の増加により、大きな問題に発展してしまうケースも多いようです。例として、クラウドを通じて鍵の開け閉めを管理する「スマートロックサービス」を考えてみましょう。

鍵の締め忘れがスマートフォンで分かるサービスを開始します。SLAは決めていませんが、自社のクラウドだけで鍵の開閉情報を管理している間は、特に問題は起こりません。しかし、IoTサービスは利用者のニーズを受けて、さまざまな他のサービスと連携し、機能拡張していくものです。そこで、このサービスもホームセキュリティ企業とデータ連携し、万が一の場合に警備員が駆けつけてくれるサービスを展開することにします。この場合、データを他社と連携することになり、データの重要性が増し、SLAのレベルが上がることになります。

SLAのレベルが上がることで、トラブルが発生した場合の対応も重要になり、利用者やデータ連携先への責任も大きくなります。自社のクラウドにシステム障害が発生したり、提供しているIoTデバイスに脆弱性が見つかったりした場合は、利用者を含め、より多くの関係先にトラブルが波及します。

マルチリージョン構成とAWS IoT Device Defenderでトラブルに備える

こうしたトラブルを防ぐためには、自社のクラウドやIoTデバイスで事前に対策を施しておくことが重要です。クラウドベンダーもそのためのサービスや機能を提供しています。

自社のクラウドの障害に備える機能としては、マルチリージョン構成が有効です。

アマゾン ウェブ サービス(AWS)の場合は、例えば、東京リージョンとシンガポールリージョンの2つを使ってシステムを構成することで、可用性を高めることができます。AWSは従量課金なので、複数のリージョンを使っても利用料を最低限に抑えることができます。

IoTデバイスの事前対策には、AWSでは、IoTデバイスのセキュリティ管理を行うサービス「AWS IoT Device Defender」を提供しています。

AWS IoT Device Defenderを利用することで、IoTデバイスの設定をセキュアに保つことができます。異常な振る舞いを検出するとアラートを発しますので、すぐに問題に対応できます。

AWSとともに進化する富士ソフトの「IoTプラットフォーム on AWS」

富士ソフトでは、AWSの機能を活用したIoTサービスの開発・運用を支援するソリューション「IoTプラットフォーム on AWS」を提供しています。

IoTプラットフォーム on AWSは、IoT製品やサービスを新たに手がけようとするお客様に向けて、デザインから、実際の製品やサービスの開発・システム構築などを支援する包括的なソリューションサービスです。

AWSは、2015年に「AWS IoT Core」というデバイスを簡単かつ安全にクラウドに接続するサービスを提供しました。現在では、AWS IoT Device Defenderのほかに、「AWS IoT Events」、「AWS IoT Greengrass」、「AWS IoT SiteWise」などさまざまなIoT関連のサービスが提供されています。当社が提供するIoTプラットフォーム on AWSは、そうしたAWSの進化を取り入れた、AWSとともに進化するIoTプラットフォームです。

IoTプラットフォーム on AWSのご紹介

IoTは手段、事業目的の明確化が大切

IoTで実現したいことやIoTを活用して提供するサービスの内容は、お客様ごとに千差万別です。富士ソフトは、豊富な知見とノウハウを生かし、AWSの各種サービスを組み合わせて、お客様の要望に合わせた基盤を構築し提供しています。

製品のIoT化では、サービス提供後にも陥りやすい課題があります。

IoTサービスは提供を開始して終わりではなく、その後も継続的なサービスの拡大や、さまざまな取り組みが必要です。それは、IoTサービスの拡大・改善に伴う取り組みと、運用・保守・セキュリティ対策に関する取り組みの2つです。

IoTサービスの拡大・改善については、価値を向上させるための積極的な取り組みであり、本来のビジネスへの価値につながるものです。一方、運用・保守・セキュリティ対策は、守りの取り組みであり、新たな価値を生まない重労働であり、いかに効率化するかがポイントになります。

IoTサービスの進展に伴って、運用保守の作業範囲が拡大し、既存の知識や経験だけでは対応しきれないケースが増えていきます。そこで当社は、IoTに関する運用保守を支援することで、従来通りお客さまが製品のサポートを担当できるようにしています。当社が提供するのは、サービス監視、サービスの最新化、セキュリティ対策など、IoTサービスに関わる保守・運用業務を代行するサービスです。

IoTが進展する中、IoT化することが目的になってしまい、本来の製品のIoT化の価値が得られていないケースも多くあります。IoT化の前に、まずはビジネスとしての目的を明確にすることが大切です。IoTは手段であることを忘れてはなりません。

IoTプラットフォーム on AWSをご利用いただいた事例はこちらからご覧いただくことができます。

IoTプラットフォーム on AWSの導入事例のご紹介


森田 和明森田 和明(Kazuaki Morita)

エリア事業本部
インテグレーション&ソリューション部
第3技術グループ
主任 / エキスパート

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