交通系ICカードを活用した経費精算の基本と効率化のポイントは?
交通系電子マネーをフル活用した賢いやり方!
交通系ICカードを利用した経費精算は、企業の経理業務を大きく効率化できる有効な手段です。SuicaやPASMOなどの交通系電子マネーを活用すれば、手書きの申請書や領収書の提出といった従来の煩雑な作業を削減できます。
しかし、ICカード経費精算を導入する際には、正しい会計処理の方法やシステムの選定基準を理解しておく必要があります。本記事では、ICカードを活用した経費精算の基本的な仕組みから、効率化のポイント、さらには導入時の注意点まで、知っておくべき実践的な情報をご紹介します。
ICカードを活用した経費精算
ICカードと経費精算システムを連携させることで、交通系電子マネーの利用履歴を自動的に取り込み、交通費精算業務を効率化することができます。従来の紙ベースの申請と比較して、入力ミスの削減や処理時間の短縮も期待できます。
ここでは、ICカードを活用した経費精算の基本的な仕組みと、導入に必要な準備について解説します。
ICカードを活用した経費精算の仕組み
交通系ICカードに記録された利用履歴データを読み取り、システムに自動的に取り込むことのできる経費精算システムがあります。SuicaやPASMOなどのICカードには、最大20件分の利用履歴が保存されており、この情報を専用のカードリーダーやスマートフォンアプリで読み取ることができます。
読み取られた利用履歴には、乗車日時、乗車区間、運賃などの情報が含まれています。これらのデータが経費精算システムに連携されることで、従業員は手入力による申請作業を大幅に削減できます。
モバイルSuicaやモバイルPASMOといったスマートフォン対応のICカードを利用する場合は、アプリから直接利用履歴を取得できます。
また、交通系ICカードの利用履歴を経費精算システムに自動で連携できる機能(IC Card Integration Service / ICCI)を持つシステムもあります。この機能により手入力の手間が省け、更なる経費精算業務の正確化・迅速化、不正防止に繋げることができます。
経費精算に必要な準備
ICカード経費精算を導入するためには、いくつかの準備が必要です。まず、ICカード連携に対応した経費精算システムの選定と導入が前提となります。
次に、従業員が使用する交通系ICカードの管理方法を決定します。会社支給のICカードを配布する方法と、従業員の個人所有カードを業務利用する方法があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
また、ICカード利用に関する社内規定の整備も欠かせません。チャージ方法、利用可能範囲、精算ルールなどを明確に定めておくことで、運用開始後のトラブルを防止できます。システム導入後は、従業員向けの操作説明会を実施し、正しい利用方法を周知することで、導入効果を最大限に高めることができます。
交通系ICカードの種類と特徴
日本国内で利用できる主要な交通系ICカードには、JR東日本のSuica、関東私鉄のPASMO、JR西日本のICOCA、JR東海のTOICAなど、複数の種類があります。これらのカードは相互利用が可能になっており、全国の主要交通機関で使用できます。
経費精算の観点では、モバイル対応のICカードが利便性に優れています。モバイルSuicaやモバイルPASMOは、スマートフォン上で利用履歴の確認やチャージができるため、管理が容易です。
カードタイプによって利用履歴の取得方法が異なるため、導入する経費精算システムがどのカードタイプに対応しているかを事前に確認しておく必要があります。
ICカード経費精算のメリット
ICカードを活用した経費精算には、業務効率化やコスト削減など、さまざまなメリットがあります。企業規模や従業員数によって効果の大きさは異なりますが、多くの組織で導入効果が期待できます。
ここでは、ICカード経費精算の主な利点について詳しく見ていきます。
業務効率化と時間短縮
ICカード経費精算の最大のメリットは、従業員と経理担当者双方の作業時間を大幅に削減できることです。従来の紙ベースの申請では、従業員が交通費を手入力し、領収書を添付して提出する必要がありました。
ICカード連携により、利用履歴が自動的にシステムに取り込まれるため、この入力作業がほぼ不要になります。経理担当者も、手書きの申請書を確認する時間や、入力内容の照合作業が削減されます。
月末の経費精算業務が集中する時期において、この効率化は特に大きな効果を発揮します。申請処理のスピードが向上することで、経費の支払いサイクルも短縮できる可能性があります。
入力ミスと不正の防止
手入力による経費申請では、金額や区間の入力ミスが発生しやすいという課題があります。ICカード経費精算では、実際の利用データがそのまま取り込まれるため、入力ミスによる誤差がほとんど発生しません。
また、実際の乗車履歴に基づいて精算が行われるため、架空請求や水増し請求といった不正を防止する効果も期待できます。利用履歴には日時や区間が明確に記録されているため、透明性の高い経費管理が実現します。
経理担当者による確認作業の負担も軽減され、より本質的な業務に時間を割けるようになります。
ペーパーレス化の推進
ICカード経費精算を導入することで、紙の申請書や領収書の管理が不要になり、ペーパーレス化が進みます。領収書の保管スペースが削減されるだけでなく、書類の検索や参照も容易になります。
電子データとして保存された利用履歴は、検索性が高く、過去の精算内容を素早く確認できます。税務調査などで過去の交通費を確認する必要がある場合でも、効率的に対応できます。
環境負荷の低減という観点でも、ペーパーレス化は企業のESG活動に貢献する取り組みと言えます。
リアルタイムな経費管理
ICカード経費精算システムの多くは、利用状況をリアルタイムまたは準リアルタイムで把握できる機能を備えています。これにより、月末を待たずに交通費の発生状況を確認できます。
経営層や管理職は、部門ごとの交通費支出をタイムリーに把握し、予算管理や経営判断に活用できます。異常な支出パターンがあれば早期に発見し、対策を講じることも可能です。
従業員側も、自身の利用状況を随時確認できるため、交通費の使い方を意識しやすくなります。
| メリット | 従業員への効果 | 経理担当者への効果 |
|---|---|---|
| 業務効率化 | 入力作業の削減 | 確認作業の削減 |
| 精度向上 | 入力ミスの防止 | チェック作業の軽減 |
| ペーパーレス | 領収書管理の削減 | 書類保管の削減 |
ICカード経費精算の注意点
ICカード経費精算には多くのメリットがある一方で、導入や運用にあたって注意すべき点も存在します。これらの課題を事前に理解し、適切な対策を講じることが成功の鍵となります。
ここでは、ICカード経費精算を導入する際に留意すべき重要なポイントを解説します。
利用履歴の保存期間
交通系ICカードの利用履歴は、最大26週間(約6ヶ月)しか保存されません。この期間を過ぎると古いデータから順次削除されるため、定期的に利用履歴を読み取って保存する必要があります。
月末にまとめて精算処理を行う場合でも、利用履歴が消える前にデータを取得しておく運用ルールが求められます。特に長期出張や休暇後には、履歴が削除される前に速やかにデータを読み取ることが重要です。
システムによっては、定期的な履歴取得を促すリマインド機能を備えているものもあります。こうした機能を活用することで、データ消失のリスクを低減できます。
私的利用と業務利用の区分
従業員の個人所有ICカードを業務にも利用する場合、私的利用と業務利用を明確に区分する必要があります。利用履歴には業務に関係ない移動も記録されるため、申請時に適切に選択する仕組みが必要です。
経費精算システムの多くは、取り込んだ利用履歴から精算対象を選択できる機能を備えています。従業員が責任を持って業務利用分のみを申請するよう、社内規定で明確にしておくことが望ましいです。
会社支給の業務専用ICカードを配布する方法も、私的利用と業務利用を完全に分離できる有効な手段です。
システム導入と運用コスト
ICカード経費精算を導入するには、対応する経費精算システムの導入が必要です。システムの導入費用や月額利用料、従業員数に応じたライセンス費用などが発生します。
また、物理カードを使用する場合は、カードリーダーの購入費用も必要になります。モバイル対応のシステムを選択すれば、この費用は削減できますが、従業員のスマートフォン環境に依存します。
導入効果とコストのバランスを考慮し、自社の規模や精算件数に適したシステムを選定することが重要です。小規模な組織では、導入コストが効果を上回る可能性もあります。
会計処理と税務上の注意点
ICカードへのチャージと実際の利用では、会計処理の方法が異なります。チャージ時には「前払金」として処理し、実際に交通機関を利用した時点で「旅費交通費」として計上する方法が一般的です。
ただし、実務上はチャージ時に全額を経費として計上する簡便な処理も認められています。この場合、期末時点のICカード残高を確認し、必要に応じて調整する必要があります。
税務上の観点では、利用履歴のデータを適切に保存しておくことが求められます。電子帳簿保存法の要件を満たす形でデータを管理する必要があります。
経費精算システムの選定ポイント
ICカード経費精算を効果的に運用するには、自社に適したシステムを選定することが重要です。市場には多様な経費精算システムが存在し、それぞれ機能や価格帯が異なります。
ここでは、システム選定時に確認すべき主要なポイントについて解説します。
対応ICカードの確認
経費精算システムによって、対応している交通系ICカードの種類が異なります。Suicaには対応していてもPASMOには対応していない、あるいは物理カードのみでモバイル版には非対応といったケースがあります。
自社の従業員が主に使用しているICカードの種類を調査し、それに対応したシステムを選定する必要があります。全国に拠点がある企業では、複数の交通系ICカードに対応しているシステムが適しています。
モバイル対応の有無も重要な選定基準です。モバイルアプリから利用履歴を取得できるシステムは、カードリーダーが不要で導入が容易です。
他システムとの連携性
経費精算システムが既存の会計システムや人事システムと連携できるかどうかは、業務効率に大きく影響します。シームレスな連携により、経費データを会計システムに自動転記できれば、二重入力の手間が省けます。
給与システムとの連携も重要です。立替経費の精算を給与振込と同時に処理できる仕組みがあれば、従業員の利便性が向上します。
API連携やCSVエクスポート機能の有無、連携可能なシステムの範囲などを事前に確認しておくことが推奨されます。
承認フローの柔軟性
組織の規模や構造によって、適切な承認フローは異なります。直属の上司による一段階承認で十分な組織もあれば、部長・課長・経理部門といった多段階承認が必要な組織もあります。
経費精算システムが自社の承認フローに対応できるか、また将来的な組織変更に柔軟に対応できるかを確認することが重要です。一定金額以上の場合のみ追加承認を要求するといった条件設定ができると便利です。
承認者が外出先からもスマートフォンで承認できる機能があれば、承認処理の遅延を防げます。
モバイル対応と操作性
従業員が日常的に使用する経費精算システムは、操作性が重要です。特にスマートフォンからも操作できるシステムは、従業員の利用負担を軽減します。
直感的な操作画面、分かりやすいナビゲーション、迅速なレスポンス速度などがユーザビリティを左右します。導入前にトライアル利用やデモンストレーションを通じて、実際の操作感を確認することが推奨されます。
また、システムの利用マニュアルやサポート体制の充実度も、スムーズな導入と運用には欠かせない要素です。
まとめ
ICカードを活用した経費精算は、業務効率化とミス削減に有効な手段です。利用履歴の自動取得により、従業員の入力作業と経理担当者の確認作業が大幅に削減され、ペーパーレス化も推進できます。
一方で、利用履歴の保存期間や私的利用との区分、適切な会計処理など、注意すべき点も存在します。システム選定では、対応ICカードの種類、他システムとの連携性、承認フローの柔軟性などを総合的に評価することが重要です。
自社の業務規模や運用体制に適したシステムを導入し、正しい会計処理と運用ルールを整備することで、ICカード経費精算の効果を最大限に引き出すことができます。
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