富士ソフト株式会社

~データ・AI活用は'Can we?' から 'Shall we?'に~
Snowflake Summit 26 参加レポート Day2

▼はじめに

AIデータプラットフォームアーキテクトとして活動しているネットインテグレーション事業部の左手です。
前回は、「~Agentic AIの時代へ~ Snowflake Summit 26 参加レポート Day1」として、イベントの全体概要と初日の熱狂をお届けしました。
下記リンクから確認できますので、是非チェックしてみてくださいね。

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~Agentic AIの時代へ~Snowflake Summit 26 参加レポート Day1

本コラムでは、Snowflakeによって「データプラットフォーム」の枠を超え、企業の意思決定を自律化させる「Agentic Enterprise(エージェント駆動型企業)」へ進化した瞬間をお届けいたします。 最新技術をビジネス成果へ直結させるための視点を交えて解説いたします。

▼執筆者

Author

左手 克明

Katsuaki Sate

ソリューションビジネスユニット ネットソリューション事業本部
ネットインテグレーション事業部 第6技術グループ / 担当 シニアマスター

▼目次

1.Platform Keynote「可能性を再定義する4幕(Acts)」

今回のKeynoteは、単なる機能紹介ではなく、企業のあり方を根本から再定義する4つの「Act(幕)」で構成されました。
冒頭、開発者向けAI「Cortex Code」が「Snowflake CoCo」へ、 AIエージェント構築基盤「Snowflake Intelligence」が「Snowflake CoWork」へと正式に名称変更されることが発表され、会場は大きな歓声に包まれました。
新機能の詳細は、公式のリリースノートが公開されていますので適宜ご参照ください。

冒頭で2つの機能の名称変更を発表した:「Cortex Code」⇒「Snowflake CoCo」、
「Snowflake Intelligence」⇒「Snowflake CoWork」

2.Act 1:Eliminating Friction and Ease of Use ―― 摩擦の排除が救う現場のスピード

最初の幕では、「複雑さは摩擦を生む」という創業以来の哲学に基づき、いかに開発の障壁を取り除くかが語られました。
ここで発表された「Snowflake Data Stream(Private Preview Soon)」は、まさにデータエンジニアのこれまでの苦労を過去にする衝撃的な機能です。 Apache Kafka互換のストリーミングサービスであり、Kafkaクラスターや外部コネクタを自前で構築・管理することなく、既存のストリーミングデータをSnowflakeへ直接かつリアルタイムに取り込むことができます。

新機能「Snowflake DataStream(Private Preview Soon)」を発表した

さらに、まもなく一般提供(GA)される「CoCo Desktop」では、自然言語によるパイプラインの障害診断から、修復、デプロイまでをシームレスに完結できます。 従来の「コンテナをビルドしてデプロイする」という煩雑な作業から解放され、思考のスピードで直感的に開発できるこのツールは、開発者体験を根本から変えるものだと下記のデモを通じて確信しました。

会場内で「CoCo Desktop(まもなくGA)」を用いた実際の開発現場を想定したデモが実施された

3.Act 2:Trust ―― AIガバナンスが「推進力」に変わる瞬間

第2幕は、AIを実務に投入するための「最後のピース」である信頼と統治がテーマです。
Snowflakeはガバナンスを「制約」ではなく、AI変革を加速させる「推進力」であると再定義しました。
注目の新機能「Intent-driven Governance(インデント駆動型ガバナンス)」は、自然言語で「全PII(個人情報)を保護せよ」と伝えるだけで、AIが動的にポリシーを分類し、生成・適用します。 また、AIエージェント個別の活動を識別する「Agent Identity」により、どのAIがどのデータに触れたかを人間と同様に監査・制御できるようになります。

Intent-driven Governance:「全PII を保護せよ」と言うだけで自動分類・ポリシー生成・継続ガバナンスが作動(Snowflake CoCo/AI連携)

Agent Identity:エージェント実行コンテキストを検出する新コンテキスト関数。
マスキングポリシーや行アクセスポリシーから参照可

100万人以上が日常的にAIを活用しているThomson Reuters社の事例は、厳格なセキュリティ下でもAIを弁護士・税務・会計監査のプロフェッショナル向けフラッグシップAIとして、 本番運用できることを証明しており、1,500名以上の社内ユーザーが財務・ビジネス上の最重要意思決定で活用していると発言し、 データ利活用を検討する企業にとって非常に心強いメッセージとなりました。

左からCaitlin Halferty氏(Thomson Reuters社)× Christian Kleinerman氏 (Snowflake社)の両者が登壇した

4.Act 3:Open and Interoperable ―― サイロを消し去るオープン戦略

第3幕では、特定のベンダーに縛られない「オープンなデータ基盤」への執念が示されました。
Apache Iceberg V3の機能を網羅的にサポートしたことで、外部カタログとの完全な双方向連携が可能になったほか、待望されていたSAPとのゼロコピー連携がついに一般提供(GA)となりました。 加えて、WorkdayやIBM(メインフレーム)などとの連携も拡大しており、システム間のデータ移動コストとリスクを最小化するエコシステムが急速に広がっています。

Apache Iceberg V3:最広範実装により完全双方向カタログ間相互運用を可能に(Snowflake Horizon ↔ 外部カタログ)

ZERO COPY SHARING:画面に表示されたサービスとSnowflakeとのゼロコピーによるデータの連携が可能に
SAPについては一般提供(GA)が発表された

Under Armour社がSnowflakeを「自社のデータ戦略を支える強固な中核基盤』と位置づけつつも、「誰もベンダーロックインを感じていない」と語ったシーンは印象的であり、 データを自由に活用できる柔軟性こそが企業の未来を支えることを物語っています。

左からPatrick Duroseau氏(Under Armour社)× Christian Kleinerman氏 (Snowflake社)の両者が登壇した

5.Act 4:A Control Plane for Everyone ―― 全員が「データサイエンティスト」になる未来

最終幕では、AIがプロセスの中心に座る「ユビキタス・インテリジェンス(ユーザーが意識することなくいつでもどこでもAIやネットワークの知的な支援を受けられる概念)」の未来が提示されました。
ここで主役となった「Snowflake CoWork」は、ユーザーの好みを学習するメモリ機能を備え、各個人専用のAIアシスタントとして進化しています。特に驚異的なのが新機能「Cortex Sense」で、 AIエージェントの精度を継続的に自動向上させ、特定の事例では精度を24%から83%へ引き上げることに成功したと発表しました。

Cortex Sense:エージェントの精度をランタイムで自動向上する
AI機能に対してユーザーから送られたシグナル(プロンプトなど)を自動収集しコンテキストを強化する機能

Samsung Electronics社の「Galaxy S26」発売を支えたのは、AIエージェント「SIA(Shopper's Insight Action Agent)」の存在だったと、同社のJung Suh氏は発言しました。
データチームが数時間かけていた分析作業はわずか数秒に短縮され、現在は非エンジニアのリーダー陣など1,000名が日常的に活用しています。 その中心で、AIがプロセスの中核で市場を監視し、次の一手を自動提案する「AX(AI-based Process Transformation)」モデルが確立されました。 これにより、「データ待ちのボトルネックが消え、全リーダーが自らのアナリストになった」と語る通り、データチームは単なる依頼先から、 全社の自律的な意思決定を支える中核組織へと変貌をとげたと述べています。

右からJung Suh氏(Samsung Electronics社)× Christian Kleinerman氏 (Snowflake社)の両者が登壇した

6.おわりに

「Snowflake Summit 2026」Day 2のPlatform Keynoteを通じて私たちが目撃したのは、データがAIを賢くし、そのAIがデータプラットフォームをさらに高速かつシンプルにするという、理想的なエコシステムの完成でした。
Snowflakeが創業から守り続けてきた「データサイロの解消」と「シンプルさ」という哲学は、AI時代においても揺らぐことなく、むしろAIを実務で使いこなすためのツールへと進化を遂げています。特に、ガバナンスを制約ではなく、AI変革を加速させる「推進力」と定義し直した点は、導入を検討されている企業様にとって最も大きな安心材料になるはずです。
今回の発表により、エンジニアの役割として、ビジネスに価値をもたらすAIエージェントの「指揮者」の役割も担っていることを実感いたしました。

最後に、Christian Kleinerman氏 (Snowflake社)は下記メッセージを提言した
"Snowflake takes it from the era of 'Can we?' to 'Shall we?'"
「Snowflake は、『本当に実現できるか?』の時代から、『さあ、実行しようか』の時代へとあなたを導きます」

7.富士ソフトのデータ利活用支援について

富士ソフトは、AI・クラウド・セキュリティ・インフラの総合的な技術力を掛け合わせ、データ・AI活用を通じたビジネス価値の創出を支援いたします。
当社は、Snowflakeを熟知した専門人財を擁し、確かな構築実績を持つパートナーとして、Snowflake Partner NetworkのAIデータクラウド サービスパートナー「SELECT」に認定されています。 今回のSummitで発表された「Snowflake CoCo」や「Snowflake CoWork」といった最新技術についても、いち早く現地でのキャッチアップを行っており、単なるツールの導入に留まらない、お客様の業務に即した実用的な活用方法をご提案できることが強みです。 データ戦略がそのままAI戦略の要となるこれからの時代に向けて、お客様に最適なデータ基盤の構築を共に進めていければと考えております。

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