富士ソフトは、長年、社内で働き方改革に取り組んできた知見を活かして、ITだけでなく制度やしくみなどまで広い範囲でお客様の働き方改革をご支援しています。今回、人事労務を担当する私から、これまで富士ソフトが取り組んできた働き方改革について紹介させていただきます。

当社は、1989年から育児・介護等特別な事情をかかえる社員を対象とした在宅勤務制度を開始させ、その後もフルフレックス制度や勤務時間の削減など、様々な勤務制度改革を進めてきました。

それでもITバブル全盛の頃に、当社は「不夜城」と呼ばれ、明々と照明の消えることのないビルの中で、社員たちが日々業務に追われていました。現場を実態調査すると、生活は仕事中心で、社員は遅くまで仕事をしても翌朝定時に出社し、ワーカーズハイのような社員たちがたくさんいました。当時、そんな社員たちを間近に見て、「はたして個人の時間を削ってまで働くことが働きがいなのか」、「もっと社員がいきいきと働ける環境を作る必要があるのではないか」と感じていました。2009年10月、人事労務を任されることになり、ゆとりとやりがいの視点から働き方の総点検に取り組み始めました。

意識改革へ、働き方とルール

総点検をして改めて気付いたことは、「社員はみんなとても多くの作業量をかかえている」ということでした。そういう状況で単にワークライフバランスという言葉だけを掲げても「仕事をしなくていいのか」と言われるのがオチです。そこで、意識改革には働き方のルールを見直し、実践してもらうことが必要だと痛感しました。現場が困っていること、管理者が迷っていることは何かを探り、当社の働き方のルールを整え、全社員に周知していきました。

ワークとライフ、どちらも大切

働き方の総点検を進めていた頃、2008年にリーマンショックが、2011年には東日本大震災が起きました。これらの社会的背景もあり、働き方を見直したいというマインドが社員の中でも高まってきました。しかし一方では、「休んでも何をしたらいいかわからない」、「会社が残業を減らして人件費を抑えたいだけではないか」と、突き付けられた現実に戸惑う声も聞こえてきました。

大きなターニングポイントとなったのは、2011年、「在宅勤務・サテライトオフィス勤務」を推進するという経営トップからのメッセージでした。トップ自らが指揮する「在宅サテライト委員会」を発足させ、関係各部所のキーマンと環境整備に必要な課題を共有し、制度導入に向けて動き出しました。在宅勤務は、社員が自宅で勤務している状況を上司が把握できず、勤務外で働き続けてしまうというリスクがあります。しかし、制度、システム、セキュリティをきちんと整備したうえで「いつでもどこでも働ける環境」を実現したことで、社員に適切なワークライフバランスを意識してもらうことにつながりました。今では、在宅勤務を実施したことのある社員は3割(2019年3月末時点:約2,200人/全7,195人)を超え、年間延べ実施人数は約6,000人となり、多くの社員が有効に活用しています。

<当社の在宅勤務制度の特徴>

・全社員が対象
介護、育児に関わらず、職種に関係なく個々の都合で利用可能
・柔軟な活用
当日申請も可能、悪天候や交通機関マヒなどのBCPにも対応可能
・環境整備
社内のペーパーレス化と脱固定電話(内線IP化と携帯端末配布)により、いつでもどこでも働ける環境を実現

メリハリのある働き方へ

2018年に新たな課題となったのは、「勤務時間=本当に勤務した時間なのか?」ということでした。これまで「少しの時間だから」と私的な用事(喫煙や飲食などのリフレッシュ、私用電話やメールなど)にかかる時間も暗黙的に勤務時間に含めていました。健康経営が進められる中、勤務は勤務、休憩は休憩とメリハリをつけることが、働き方の意識改革には欠かせないことだと考えました。

そこで生まれたのが、これまでの「スーパーフレックス(※)」を超える「ウルトラフレックス」。30分単位で取得できるフレキシブルな有休制度と、働く時間と息抜きの時間を明確に分けるリフレッシュタイム制度が加わり、究極のフレックス「ウルトラフレックス」を実現しました。

※ コアタイムなしのフルフレックスと就業エリア外で私的な用事がある際に利用する私用外出制度を組み合わせたもの(1990年より開始)

<ウルトラフレックス制度>

・フレキシブル有休(時間帯を固定せず、30分単位でフレキシブルに取得可能な半日有休)
・リフレッシュタイム(就業エリア内でリフレッシュするための、10分単位で取得可能な休憩時間)

全ての社員に「時間制約」がある

人事労務を担当してきた約10年を振り返って感じることは、「時間の制約」は全ての社員にある、ということです。勤務時間の上限は法令で定められています。趣味や家庭など個人の時間を重視する社会でもあり、「育児や介護に関わっている人だけに時間の制約がある、自分には制約はない」と思い込んで働いてきた人達がたくさんいた時代から、着実に変わろうとしています。

私たち人事の仕事は、そういった社会の変化に柔軟に対応しながら、社員が働きやすく、利用しやすい仕組みを作ることによって、社員が適切に法令を遵守しながら、社員一人ひとりの「ゆとりとやりがいの実現」をサポートすることだと思っています。

<参考:富士ソフトの働き方改革への取り組み>

1989年 在宅勤務制度開始(育児・介護等特別な事情を対象)
1990年 フルフレックス制度施行
2005年 トリプルゼロ+1運動(トラブルゼロ/バグゼロ / 情報漏洩ゼロ+サービス残業ゼロ)
2009年 『多様な働き方規程』施行、勤務時間削減(7時間30分)
2011年 新しい在宅勤務制度を検討開始(トップダウン)
2012年 新在宅勤務制度を検証 ( 500名 )
2012年 ペーパーレス会議を開始 ( 社内会議体でタブレット利用 )
2013年 新在宅・サテライト勤務制度開始(対象を全社員に拡大 )
     BYOD制度開始(対象は全社員。端末は個体認証 )
2014年 脱固定電話 ( 社用携帯、スマホへ移行)
2016年 ノー残業デー導入( 毎月第3水曜日)
    マイホリデー休暇制度施行
    プレミアムフライデー制度施行
2017年 新トリプルゼロ運動(「月間残業80時間超過者ゼロ/サービス残業ゼロ/徹夜勤務者ゼロ」)開始
2018年 ウルトラフレックス制度施行(フレキシブル有休制度+リフレッシュタイム制度)
2019年 定年後再雇用制度変更

富士ソフトの働き方改革について、詳しくはこちら
働き方改革ソリューション

 

益満 博子
益満 博子(Hiroko Masumitsu)

人事部 人事労務室
室長 / エキスパート

この記事を読んだ人はこちらの記事も読んでいます。