海外イベントに参加すると、言葉が多少通じなくても最新の動向がわかって刺激になる。まさに“体感”だ。私の仕事はECがメインなので、2019年3月に米国ラスベガスで開催された世界最大級の小売業界向けイベント「Shoptalk 2019」に行ってきた。海外でのイベントは、それなりの苦労や注意点もある。イベントの内容は別記事(「Shoptalk(ショップトーク)2019」レポート!─米国の小売業のデジタル化は、ここまで進んでいる!)で紹介したが、本記事では海外イベント特有の雰囲気や気をつけたい点について紹介する。

環境の違いには要注意

2019年3月、私はShoptalk 2019に参加するために米国ラスベガスに飛んだ。

万全に準備して海外出張に臨んだものの、到着するや否やトラブルが待ち受けていた。渡航前に国内で準備したスマートフォンのSIMカードが、何故かつながらないのだ。「4G LTE B2&B4 対応必須」の記載を見逃し、「最新機種なら大体OKだろう」と甘い考えでよく確認しなかったのが失敗だった・・・。

仕方なく現地でプリペイドSIMカードを調達することにしたのだが、ショップを見つけるのにも一苦労だった。どうにか現地でSIMカードを調達して何とか事なきを得たが、国内で事前にSIMカードを用意していく場合には、渡航先で確実に使えることをよく確認してから手に入れたほうが良いだろう。

ラスベガスの街を歩いて感じたのが、過ごしやすい気候。3月というと、日本ではまだまだ寒さが残る春先だが、ラスベガスでは平均気温がすでに20度を超えている。砂漠の真ん中に位置する乾燥した土地なので、屋外の不快指数は低い。現地のアメリカ人も薄手のシャツで歩いているので、軽装でも大丈夫そうだ。

そう思ったのも束の間・・・。 朝晩は10度以下まで冷え込み、まれにしか降らないが雨のときは日中でも寒い。さらにホテルやイベント会場などの屋内は冷房が効き過ぎている。とても薄着ではいられないので、小さく折りたためて簡単に収納できるダウンジャケットが手放せなかった。現地の気候は、十分チェックしておこう。

スマートフォンやノートパソコンの音声入力が大活躍

Shoptalkは、5トラックに分かれたセミナーがイベントのメインになっている。

当然のことながらそれぞれのセッションは英語で、国内のイベントのように日本語の同時通訳があるわけではない。

英語が堪能な人ならば問題はないが、英語のヒアリングがやや苦手という人の力になってくれるのが、スマートフォンやノートパソコンの音声入力だ。音声入力を始めると講演者が話す内容を逐次テキスト化してくれる。テキストを読むだけでも聞き取れなかった部分の補完になることと、テキストを翻訳サイトやサービスで翻訳することも可能なため、話しの内容を理解するのに重宝する。

ところで、肝心のセミナーだが、遠路はるばる来たからにはできるだけ多くのセッションを聞いておきたいと思っていた。だが、すべてのセッションが有用だとは限らない。演題にひかれて参加したものの、講演者が話す内容をまったく準備していないような残念なセッションもある。そんなセッションは早々に聞くのを止めて、別の会場にすぐに移動するようにした。

よいセミナーに当たると、思わぬプレゼントもある。プレゼントといってもモノではなく、情報だ。ウェブサイトなどでは公開されていない、具体的な導入効果を示す実数など、ここでしか聞けない興味ある情報を聴衆者限定で教えてくれる場合もある。

そういった公開されていない情報が得られるのも、イベントに参加する価値だと思う。 セミナー会場でどのあたりに座るのかというのも、かなり重要だ。写真を撮影したい場合や、プレゼンテーション資料を見ながらじっくり聞きたい場合など、目的によってベストポジションは違うが、いずれにせよ会場後方で遠慮しながら聞くのではなく、できる限り前方の席に陣取るようにしたい。

製品・サービスの情報収集は展示ブースで

イベント会場には、セミナーとは別に展示スペースも用意されている。ここにはデジタルベンチャーを中心に200社以上の展示ブースが軒を連ねている。

展示ブースでは各社とも自社の製品・サービスを紹介しているが、中にはセミナーとは別に各社独自のミニセッションを行っている企業もある。最新のデジタル技術を利用した製品についての詳細を知るには、こうした展示ブースの展示内容を参考にするといい。

Shoptalkというイベントは、商談の場としても機能している。世界中の小売業界の企業が自社にとって有効なデジタルソリューションを探し、それを開発するベンチャー企業などと提携してビジネス化するというものだ。主催者がスマートフォン向けに提供しているイベント専用アプリは、そうした商談をマッチングする機能も備えている。 ちなみに、ブースの説明員に話を聞く場合、英語はゆっくりと話そう。こちらがゆっくり話すと、相手はこちらの英語力を察し、聞き取りやすい英語で話してくれるからだ。英語が苦手ならば、セミナーでも活用したスマートフォンの音声入力を併用するのがお勧めだ。

他の日本人参加者とも交流を深めよう

セミナーや展示会場以外にも、イベント来場者向けに趣向を凝らした工夫がある。

例えば、イベント会場に併設されたレストランでは、ブレックファーストやランチタイムに3~4本、1本15分程度のミニセッションが開かれており、食事をとりながらまとめてセミナーを聞けるようになっている。

サパータイムには、お酒を飲みながら他の参加者たちと交流できる場も用意されている。

また、イベント会場入口には長い期間の滞在をもてなすようなコーナーも用意されていた。例えば、女性の参加者にはメイク、男性の参加者には散髪や靴磨きなどが無料でサービスされていた。

注意しておきたいのは、通信環境があまり良くないこと。会場内にはフリーWi-Fiが用意されているものの、通信速度は非常に遅く感じた。現地で調達したSIMカードを使った4G LTE回線も、決して速いとは言えない。こうしたインフラの問題は、参加者側では解決しようがないため、通信環境に関しては割り切る必要があるだろう。

最後に、イベントへの参加をより有意義なものにするためにぜひトライしてほしいのが、他の日本人参加者との交流。日本からも多くの関係者が参加しているが、小売業界の経営者や管理職の人たちも少なくない。自分が参加していないセミナーの情報なども仕入れることができるし、彼らと積極的にコミュニケーションをとって情報交換することで、将来的にビジネスへとつながっていくかもしれない。

インターネットの普及で、わざわざ海外に出かけなくても情報を入手できるようになったが、それでも現地のイベントに参加したからこそ得られる情報も少なくない。業界の最新動向を肌で感じるためにも、Shoptalkのような海外イベントに参加してみてはいかがだろうか。

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柴田 晃宏
柴田 晃宏(Akihiro Shibata)

ソリューション事業本部
ネットビジネス事業部
部長 / エグゼクティブフェロー

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