アステラス製薬株式会社様(AWS導入支援)



手厚い移行サポートのもと、コーポレートサイトを
アマゾンウェブサービスへ移行。
万全の災害対策と信頼性、安全性の強化を実現。

サーバーの老朽化などを受け、コーポレートサイト運用基盤の再構築に着手した製薬会社大手のアステラス製薬。大規模災害などの発生時にも、確実にサービスを継続するためにインフラに採用したのが「アマゾンウェブサービス」です。
国内と海外のデータセンターを併用することで、万全の災害対策を実現。また、トレンドマイクロの「Trend Micro Deep Security™」を採用し、クラウド環境の安全性強化にも成功しています。

導入の背景

BCPの強化を狙い、コーポレートサイトの基盤を刷新

山之内製薬、藤沢薬品の合併により、2005年に発足したアステラス製薬。「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」という経営理念に基づき、革新的で有用な新薬の研究開発に全力で取り組んでいます。

2011年の東日本大震災以降、多くの企業がBCPの見直し、強化に着手していますが、同社も例外ではありません。その対象となったシステムの1つがコーポレートサイトです。

同社のコーポレートサイトは、患者様とそのご家族、医療関係者、株主・投資家などへの情報発信だけでなく、治験協力者募集や研究公募サイトa3(エーキューブ)など、複数の重要な役割を担っています。「そのため、24時間365日、無停止で稼働することが求められます。これまでも遠隔地の災害対策サイトにバックアップサーバーを用意してはいましたが、万一の際の切り替え作業が手動であった上、レンタルサーバーの老朽化も進んでいました。そこでより安全・安心な環境を実現すべく、システムを再構築することにしました」と同社の平木修一氏は説明します。

会社選定のポイント

富士ソフトをパートナーに選定し、スムーズなクラウド移行に成功

再構築にあたっては、2カ所のデータセンターでディザスタリカバリを実現しつつ、より効率的かつ迅速に復旧を行えること、アプリケーション資産の継承、ITコストの削減など、さまざまな要件が掲げられました。これらの要件のもと、同社は複数のベンダーに提案を依頼。最終的に選ばれたのが、富士ソフトが提案したクラウドサービス「アマゾンウェブサービス(以下、AWS)」です。

「クラウドへの移行に不安がなかったわけではありませんが、AWSはサービス品質がSLAで保証されている上、国内と海外のデータセンタにサーバーを分散配置することが可能。高い信頼性・可用性が確保できる上に、費用面でもリーズナブルであったため採用を決めました」と平木氏は語ります。

また、構築を担当する富士ソフトへの信頼感も採用を後押ししました。AWS自体は、さまざまな事業者が取り扱っていますが、実際に構築を行う上ではシステム面でのさまざまな課題を克服しなければならないからです。「以前、別のプロジェクトで富士ソフトに提案を依頼した際、提案内容や営業体制が非常にしっかりしていたことが強く印象に残っていました。また、富士ソフトがAWSの正規パートナーであることも、安心感がありました」と平木氏は説明します。

実際、富士ソフトが既存システムをAWSへ移行する際に行った工夫は、幅広い分野に及んでいます。例えば、以前の環境ではロードバランサが導入されていなかったため本番環境の冗長化が不可能であり、サーバトラブルによるサービス停止のリスクが常に存在していたといいます。それに対し、今回構築した環境は、国内2カ所のデータセンターに本番環境を設置。データセンターをまたいでロードバランシングすることにより、冗長化が実現できています。

また、コーポレートサイトには、データベースと連携しているサイトなど、さまざまなプログラムが組み込まれています。基本的に既存システムの再開発ではなく移行を前提としていたものの、AWS上に移行するには、一部改修しなければならない部分もあり、プログラムの改修・移行を担当するパートナー企業への技術情報の提供も求められました。「富士ソフトは、各開発会社との調整を率先して行ってくれました。AWS上で効率的な開発を行うためのマニュアルまで作成してくれたおかげで、旧環境からAWSへの移行は非常にスムーズに進めることができました。また、移行後の安定的な運用体制を整備するための支援にも、大いに感謝しています」と平木氏は語ります。

アステラス製薬のコーポレートサイト運用基盤イメージ

導入の結果

人手に頼らない災害対策を実現性能・信頼性・安全性も向上

現在、同社は、コーポレートサイト用のインフラとして、AWSの国内データセンターで3台の仮想サーバーを稼働させています。1台は開発・テスト業務用、残り2台が本番環境用です。異なる地域のデータセンターに配置された本番環境用の2台はロードバランシング対応しているため、片方のサーバーが災害などでダウンしても、サービスが停止する心配はありません。さらに、本番環境のデータは海外のデータセンターにデータバックアップされています。したがって、国内の環境がすべて稼働不能になったとしても、海外でサービスを継続することが可能。しかも、復旧作業は自動化されており、以前のように人手を介さずとも、確実なディザスタリカバリを実現できます。

また、急激なアクセスの増加にも迅速かつ柔軟に対応できるようになりました。「これまでは、決算発表時など、大量アクセスが予想される時には、一時的な帯域増強などの措置を事前に取っておく必要がありました。しかし、『過活動膀胱』など、当社が関与する分野の話題がネットニュースに取り上げられたりすると、想定外のアクセスが集中し、レスポンスが低下してしまう場合もありました。しかし、AWSへ移行した現在は、急なアクセス増加に対しても、素早くリソースを増強することが可能。サービスの安定性が向上しています」(平木氏)。

セキュリティが強化されたことに対する満足度も高いそうです。新基盤には、トレンドマイクロの「Trend Micro Deep Security™(以下、TMDS)」を新たに導入。以前は、個々のサーバーへのウイルス対策を行うのが難しいなど、さまざまな制約があったといいますが、現在は、サーバーごとのウイルス対策や改ざん検知、IPS/IDS(不正侵入検知/防御)、仮想パッチなど、TMDSの豊富な機能を活用し、理想的なセキュリティ対策を実現。重要なシステム/データの確実な保護を実現しています。

このように、同社は、富士ソフトをパートナーに迎え、コーポレートサイトのクラウド移行を無事に成し遂げました。「今後は、特定コンテンツの印刷、コピー、ダウンロードを制限する機能を組み込むなどして、提供可能な情報の種類や量を拡大するなど、新基盤を活かしたサービスを拡充していくつもりです。

独立系システムインテグレーターとして、文字通り“ベスト・オブ・ブリード”な提案が行えるのが富士ソフトの魅力。今後も当社のコーポレートサイト活用、機能強化の取り組みを支援していただきたいですね」と平木氏は最後に富士ソフトに対する期待を語りました。

アステラス製薬株式会社

  • 所在地:東京都中央区日本橋本町2-5-1
  • 創業:1923年
  • 資本金:1,030億円(2013年3月31日現在)
  • 従業員数:17,454名(2013年3月31日現在、連結ベース)
  • 事業内容:医薬品の製造・販売、輸出入
  • オフィシャルサイト:http://www.astellas.com/jp/