ECソリューション 導入事例 株式会社オンワードホールディングス様

オーダーメイドの“民主化”を推進するオンワードが新サービス
「オーダーメイドウィメンズシューズ」のEC基盤を富士ソフトと構築

アパレル大手のオンワードホールディングス(以下、オンワード)は、ウィメンズシューズの短納期オーダーメイドサービスを支えるEC基盤を富士ソフトと共に構築しました。
オンライン(Webサイト)だけでなくオフライン(リアル店舗)のオペレーションにも対応しているのが特徴で、サイズはもちろんデザインや素材など数十万通りの組み合わせからカスタマイズした1足を手ごろな価格で作り、オーダーから最短1週間で顧客に届けます。

オンワードホールディングス
情報システム担当 オンワード樫山 情報システムDiv 部長

田中 剛吾 氏

オンワードホールディングス
オンワード樫山 情報システムDiv ITグループ統合推進Sec

魏 希黎 氏

導入の背景

オーダーメイドのファッションに“民主化”の波をもたらす

オンワードは、オーダーメイドブランド「KASHIYAMA」の新サービスとして、2019年11月8日に「オーダーメイドウィメンズシューズ」の展開を開始しました。
従来は非常に敷居が高かったオーダーメイドのファッションに“民主化”の波をもたらした「KASHIYAMA」は、在庫を持たず、すべての製造工程を抜本的に改革したF2C(FACTORY TO CUSTOMER)体制で、ジャストフィットの一着を誰もが気軽に購入できる時代を作ってきました。

オーダーメイドウィメンズシューズもこのコンセプトを受け継いでおり、Webサイトあるいはリアル店舗で「足長10サイズ×足囲3サイズ=計30サイズ」の中から自分に合うサイズを選択し、さらにベースデザインや素材、カラー、ヒール高など数十万通りの組み合わせの中から、手ごろな価格でベストな1足を作ることができます。しかも注文から最短1週間で手元に商品が届くという、従来のオーダーメイドでは考えられないスピード感です。

選定の経緯

「ecbeing」をベースに構築した「オンワード・マルシェ」の実績を重視

オンワードのSIパートナーとして、オーダーメイドウィメンズシューズの基盤を共に構築したのが富士ソフトです。複数のベンダーから寄せられたソリューションを比較検討した結果、最終的に富士ソフトが提案したB to C向けECパッケージ「ecbeing」を選定いただきました。
ecbeingは、オンワードが2016年11月にサービスを開始したグルメ通販サイト「オンワード・マルシェ」基盤再構築プロジェクトでも富士ソフトが提案し、新基盤として活用してきたものです。オンワードグループはメンバーシッププログラム「ONWARD MEMBERS」を通じて約300万人の会員情報を有しており、オンワード・マルシェと緊密に連携した運用を行ってきました。

オンワードホールディングス 情報システム担当・オンワード樫山 情報システムDiv 部長の田中剛吾氏は「オンワード・マルシェでの実績が決め手となり、同じ仕組みの基盤でオーダーメイドウィメンズシューズを展開したいと考えました」と説明します。
また、オンワード樫山 情報システムDiv ITグループ統合推進Secの魏希黎氏は、「他ベンダーからは全面的なスクラッチで基盤を構築するという提案もありましたが、すでにあるものは可能な限り利用し、より早く、より確実に基盤を構築することで、オンワード独自のサービス創出に力を注いでいくというのが私たちの考え方です。この基本方針を最も深く理解してくれたのが富士ソフトでした」と話しています。

導入のプロセス

バックエンド/フロントエンドにスムーズにデータを橋渡し

富士ソフトがecbeingをベースに実施した今回のシステム構築の最大のポイントは、バックエンドおよびフロントエンドの双方のシステム間で、いかにスムーズなデータの“橋渡し”を実現するかにありました。 オーダーメイドウィメンズシューズでは数十万通りのカスタマイズが可能であり、Webサイトまたは店舗スタッフが利用するタブレットには、顧客がその場で選んだベースデザインや素材、オプションを反映したシューズのイメージ画像が即座に表示されます。
「各パーツのマスター情報を基に、どの素材やオプションの組み合わせが可能なのかを瞬時に判断し、そのデータをAPI経由でフロントエンド側に引き渡すことで、デザインから履き心地まで思いどおりの一足を形にする高度なエクスペリエンス(体験価値)をお客様に提供します」(田中氏)
こうして作成され確定したオーダー情報が、オーダーメイド専用ITプラットフォームである「KASHIYAMA生産システム」の共通データフォーマットに加工・成形され、バックエンドの受注システムに即時に引き渡されるのです。
「さらにこのオーダー情報は受注システムから決済システム、工場の生産システム、出荷システムまで連動しており、完成したシューズは工場で梱包されて直接物流会社に送られます。このようにオーダーからラストワンマイルまで一気通貫でデジタル化したEC基盤により、オーダーメイドでありながら最短1週間というスピーディーな商品のお届けを実現しています。オンワードがオーダーメイドブランド「KASHIYAMA」で志向するサービスモデルを熟知している富士ソフトだからこそ、要となるデータのつなぎ込みを完璧にこなしてくれたと思います」(田中氏)

導入の効果

煩雑だったリアル店舗のオペレーションを一気に改善

オンラインでも利用可能なオーダーメイドウィメンズシューズは、リアル店舗における業務効率化にも大きく貢献しています。
加えて、オーダーメイドウィメンズシューズのUIが、同じタブレット上でPOSと連動していることも重要なポイントで、店舗スタッフを煩雑なオペレーションの負担から解放することで、接客品質の向上につながっています。

今後の予定

マルチなアイテム/ブランドへの横展開を検討

オンワードは「KASHIYAMA」の下で、メンズスーツおよびシャツ、ウィメンズスーツ、モダンテーラーなどのカスタムメイド・セットアップ、そして今回のウィメンズシューズへとカテゴリーの拡大を図ってきましたが、今後このオーダーメイドの民主化をさらに進めていく意向です。

「富士ソフトと共に作ってきた基盤は最初からマルチなアイテム、マルチなブランドへの対応を意識しており、他のカテゴリーへも容易な横展開が可能です。したがって次のプロジェクトもこの基盤をフルに活用したいと考えています」(田中氏)
一方で今般のコロナ禍などの影響を受け、消費者の生活様式や購買行動にも大きな変化が表れてきているのも事実です。「もともと変化の激しいEC市場でオンワードがさらなる成長を遂げていくためには、「KASHIYAMA生産システム」そのものの継続的な改善と革新が必須であり、富士ソフトには引き続き有益なソリューションの提案とサポートを期待しています」と魏氏は語り、さらなるチャレンジが続きます。

お客様プロフィール

株式会社オンワードホールディングス

https://www.onward-hd.co.jp/(新しいタブで開く)
所在地
東京都中央区日本橋3丁目10番5号オンワードパークビルディング
設立
1947年9月4日
代表者
代表取締役社長 保元 道宣 氏
資本金
300億7900万円(2020年2月期)
従業員数
<連結>5153名(2020年2月期)

関連する導入事例

導入事例一覧へ

見積・資料請求はこちら

0120-593-111

(月〜金 9:00〜17:00)

サービスに関するお問い合わせは、フォームに必要事項を入力いただき、ご送信ください。

おすすめ記事